ヒューマンアカデミーが人事・研修担当者300名を対象に実施した調査によると、企業で人気の研修は「コミュニケーション研修」「伝え方の研修」「リーダー研修」などがランクインしました。
急速に変化する社会や多様化する価値観に対応するため、従業員のスキルアップや意識改革を目的とした研修ニーズが高まっています。
本記事では、人気上位の研修について、その概要や習得できる能力、関連する研修を詳しく解説します。
自社の課題解決や人材育成に役立つ研修選びの参考にしてください。
人事-研修担当者300名へのアンケート調査
【2026年版】人気の企業研修ランキングTOP10
図1 「現在あなたの会社で実施している研修の内容・テーマは?」というアンケート結果(当てはまるものすべてを回答)
- 1位:コミュニケーション研修(66%)
- 2位:コンプライアンス・ハラスメント研修(54%)
- 3位:リーダー研修(51%)
- 4位:伝え方の研修(50%)
- 5位:考え方の研修(44%)
- 6位:業務改善研修(43%)
- 7位:リスクマネジメント研修(40%)
- 8位:部下育成・後輩指導研修(40%)
- 9位:メンタルヘルス・レジリエンス研修(39%)
- 10位:人事評価研修(36%)
前回2024年調査と比較すると、「コンプライアンス・ハラスメント研修」が4位から2位へ、「業務改善研修」が8位から6位へと大きく順位を上げました。特にコンプライアンス・ハラスメント研修とリスクマネジメント研修は実施率が前回から+9ポイントと大きく伸びており、リスクマネジメント研修は今回新たにTOP10入りを果たしています。一方、前回10位だった「書き方の研修」はTOP10圏外となりました。
ここでは、ランキング上位となった人気の研修について、概要や研修内容などをそれぞれ解説します。
1位:コミュニケーション研修
生成AIが定型的な文書作成やデータ処理を代替できるようになった今、対話力や合意形成力、チームビルディングといった「人にしかできない領域」の価値が改めて見直されています。リモートワークやハイブリッドワークが定着した職場では、対面・非対面が混在する新しいコミュニケーション環境への適応も引き続き求められています。
また、部下育成や顧客との信頼構築、心理的安全性の確保といった業務の中核には、高度な対人能力が欠かせません。こうした背景から、調査対象企業の66%がコミュニケーション研修を実施しており、2024年調査(62%)からさらに実施率を伸ばして首位を維持しています。今後2〜3年で強化したいテーマとしても42%でトップに挙がっており、量だけでなく質の向上を目指す企業が多いこともうかがえます。
「コミュニケーション研修」に関連する主な研修
コミュニケーション研修では、傾聴力や表現力、非対面での円滑な意思疎通方法、異文化間での対応力を強化します。これにより、誤解の防止や心理的安全性の向上が期待され、組織全体の生産性と連携力の強化が図られる点が注目されています。
- コミュニケーション研修
- ES・CSコミュニケーション研修
- 組織活性化コミュニケーション研修
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2位:コンプライアンス・ハラスメント研修
ハラスメント防止法の施行により研修実施が実質的な義務となる中、SNSによる問題の可視化・拡散リスクも増大しています。加えて、生成AIの業務活用が広がるにつれ、情報漏洩や著作権侵害といった新たなコンプライアンスリスクへの対応も求められるようになっています。
全社的な重要課題として位置づけられており、実施率は2024年の45%から54%へと9ポイント上昇し、順位も4位から2位へと大きく上がりました。
「コンプライアンス・ハラスメント研修」に関連する研修
コンプライアンス・ハラスメント研修では、関連する法律や社内規定の理解を深め、不適切な行為を未然に防ぐための意識改革や具体的な対応策を学びます。公正な職場環境を築くことで、社員の働きやすさと企業イメージの向上が期待されています。
- コンプライアンス研修
- ハラスメント研修
- リスクマネジメント研修
「コンプライアンス・ハラスメント研修」に関連する記事
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▶ハラスメント研修|ハラスメントを防ぐ研修の内容や活用ポイントを解説
3位:リーダー研修
デジタル化やグローバル化による市場環境の変化に対応し、不確実性の高い状況下で的確な意思決定を行える人材が求められています。生成AIの出力を評価・判断しながら活用する「AIを使いこなす思考力」も、これからのリーダーに求められる要素の一つとなりつつあります。
また、若手社員の早期離職防止や従業員エンゲージメントの向上など、人材定着・育成の観点からもリーダーの役割はますます重要になっています。
「リーダー研修」に関連する研修
リーダー研修では、状況把握や意思決定の基本に加え、部下のモチベーションを高めるコミュニケーション力を習得します。さらに、リスク管理や目標達成への戦略策定を体系的に学び、変化に対応できる組織づくりをめざします。
- リーダーシップ研修
- 女性リーダー育成研修
- 伝わるコミュニケーション力と横のリーダーシップ研修
- チームを活性化させる体感型リーダーシップ研修
- EQリーダーシップ研修
- ハーバード流交渉学を使用したリーダーシップ研修
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4位:伝え方の研修
膨大な情報から本質を見極め、簡潔に伝える能力や、専門知識を非専門家にもわかりやすく説明するスキルが今まで以上に求められています。生成AIが文書のたたき台を作成できるようになった分、最終的に相手に伝わる形へ整える人間側の伝達力の重要性がむしろ高まっています。
調査対象企業の50%が実施しており、今後強化したいテーマとしても35%で2位に挙がっており、引き続き高い関心が寄せられています。
「伝え方の研修」に関連する主な研修
伝え方研修では、論理的な話し方やプレゼンテーションのスキル、相手の関心や理解度に合わせた柔軟な伝達法を学びます。これにより、情報の伝達効率を高め、意思決定やチーム連携をスムーズに進める力を養うことができます。
- プレゼンテーション研修
- コミュニケーション研修
- ロジカルシンキング研修
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5位:考え方の研修
生成AIが定型的な分析や情報整理を担う時代だからこそ、その出力を評価・判断し、独自の視点で意思決定につなげる思考力が重要性を増しています。データに基づく論理的思考とイノベーティブな発想の両立が、あらゆる階層の社員に求められています。
実施率は44%で、変化の激しい時代において、あらゆる階層で思考の土台を築く研修として位置づけられていることがうかがえます。
「考え方の研修」に関連する研修
考え方の研修では、自身の視野を広げ、多角的なアプローチを可能にする思考スキルを身につけます。新しいアイデアを生み出し、チーム内の相互理解を深めるための基礎を習得する研修としても注目されています。
- ロジカルシンキング研修
- デザイン思考研修
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6位:業務改善研修
生成AIをはじめとするデジタルツールの活用が進む中、従来の業務プロセスをどう見直し、自動化・効率化していくかが多くの企業にとって急務となっています。限られた人員・時間の中で成果を出すための生産性向上も、引き続き重要な経営課題です。
実施率は43%で、前回調査の35%から8ポイント上昇し、順位も8位から6位へと上がりました。
「業務改善研修」に関連する研修
業務改善研修では、現場のムダを見つけ出す手法や、効率的なプロセス設計のポイントを学びます。プロセスを可視化し、継続的に改善を重ねる意識を育成することで、組織全体の仕事の質とスピードが向上します。
- 働き方改革研修
- タイムマネジメント(段取力)研修
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7位:リスクマネジメント研修
生成AIの活用拡大に伴い、情報漏洩やハルシネーション(誤情報生成)、著作権侵害といった新たなリスクへの対応が経営課題として浮上しています。加えて、自然災害やサイバー攻撃、コンプライアンス違反など、企業を取り巻くリスクは年々多様化・複雑化しています。
実施率は40%で、前回調査の31%から9ポイント上昇し、今回新たにTOP10入りを果たしました。
「リスクマネジメント研修」に関連する研修
リスクマネジメント研修では、企業活動に潜む様々なリスクを洗い出し、発生を未然に防ぐ体制づくりや、実際に問題が起きた際の初動対応・危機管理のノウハウを学びます。リスクを正しく認識し備える力を養うことで、事業継続力の強化につながります。
- リスクマネジメント研修
- コンプライアンス研修
- 情報セキュリティ研修
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8位:部下育成・後輩指導研修
人材不足が深刻化する中、若手の早期戦力化が求められていますが、世代間ギャップやキャリア意識の多様化により、従来の育成手法が通用しにくくなっています。また、育成担当者自身の業務負担増大や指導スキルの不足への不安も高まっています。
実施率は40%で、部下を持つ層を中心に幅広く実施されています
「部下育成・後輩指導研修」に関連する研修
部下育成・後輩指導研修では、一人ひとりの成長段階に合わせた指導方法や、モチベーションを高めるコミュニケーション技術を学びます。育成担当者がスキルと心構えを身につけることで、組織の安定的な成長と職場定着率の向上につながります。
- リーダーシップ・コーチング
- 後輩指導のためのコーチング実践研修
- 部下・後輩指導のためのコーチング実践研修
- OJTリーダー育成研修
「部下育成・後輩指導研修」に関連する記事
▶コーチング研修|人材育成や生産性向上につながるコーチング研修のポイントを解説
9位:メンタルヘルス・レジリエンス研修
リモートワークの普及による孤立感やコミュニケーション不足に加え、変化の激しい業務環境そのものが従業員のストレス要因となるケースも増えています。メンタルヘルス対策は法的な要請であるとともに、生産性の維持や人材の確保・定着の観点からも重要性を増しています。
実施率は39%で、変化の激しい業務環境の中、従業員のストレスケアへの関心が高まっている様子がうかがえます。
「メンタルヘルス・レジリエンス研修」に関連する研修
メンタルヘルス・レジリエンス研修では、自分や周囲のストレスサインを早期に察知し、適切な対処を行う方法を学びます。セルフケアだけでなくチーム内でのサポート体制づくりも重要であることから、組織全体のモラルを維持する役割も果たします。
- メンタルタフネス
- ストレスマネジメント研修
- アンガーマネジメント
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10位:人事評価研修
リモートワークや副業の普及により、従来の評価基準が適用しづらい状況が増加しています。加えて、生成AIを活用した業務が広がる中、成果や貢献をどう評価するかという新しい評価軸の検討も求められ始めています。
実施率は36%で、評価者としての役割を担う管理職層への研修が中心となっています。
「人事評価研修」に関連する研修
人事評価研修では、評価基準の策定やフィードバックの手法などを学びます。明確な基準によって社員の努力が正しく報われる環境を整え、離職防止や生産性向上につなげる役割を担います。
- 人事考課・フィードバック研修
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まとめ
成AIの業務浸透が加速する中でも、コミュニケーション研修をはじめとする「人にしかできない領域」への投資意欲は、むしろ高まっていることが今回の調査から見えてきました。同時に、コンプライアンス・ハラスメント研修やリスクマネジメント研修の実施率上昇は、AI活用に伴う新たなリスクへの対応も含め、企業がリスク管理体制の強化を進めていることを示しています。
労働人口の減少や人材流動性の高まりを背景に、人的資本の重要性は今後さらに高まることが予想されます。AIを使いこなすスキルと、人にしかできない対話力・思考力をどちらも磨いていくこと。この両輪をどう研修設計に組み込むかが、これからの企業研修の重要なテーマになっていくでしょう。
- 調査概要
- 調査方法:Webアンケート
- 調査期間:2026年3月25日〜3月27日の計3日間
- 回収件数:300名
- 調査対象者:民間企業に勤める人事・研修担当者
本調査結果は、ホワイトペーパー「社員研修の実態と本音~2024~」から一部データを抜粋・編集して紹介しています。

