【2024年版】人気の企業研修ランキングTOP10を公開。人事・研修担当者300名のアンケート結果

ヒューマンアカデミーが人事・研修担当者300名を対象に実施した調査によると、企業で人気の研修は「コミュニケーション研修」「伝え方の研修」「リーダー研修」などがランクインしました。

急速に変化する社会や多様化する価値観に対応するため、従業員のスキルアップや意識改革を目的とした研修ニーズが高まっています。

本記事では、人気上位の研修について、その概要や習得できる能力、関連する研修を詳しく解説します。

自社の課題解決や人材育成に役立つ研修選びの参考にしてください。

人事-研修担当者300名へのアンケート調査

【2024年度最新版】企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、各企業では、どのような研修を実施しているのか。人事・研修担当者の関心が高い社員研修の実施状況を可視化!社員研修を見直すきっかけになる結果となっていますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。

【2024年版】人気の企業研修ランキングTOP10

図1 「現在あなたの会社で実施している研修の内容・テーマは?」というアンケート結果(当てはまるものすべてを回答)

  • 1位:コミュニケーション研修(62%)
  • 2位:伝え方の研修(52%)
  • 3位:リーダー研修(51%)
  • 4位:コンプラ・ハラスメント研修(45%)
  • 5位:考え方の研修(43%)
  • 6位:部下育成・後輩指導研修(38%)
  • 7位:⼈事評価研修(36%)
  • 8位:業務改善研修(35%)
  • 9位:メンタルヘルス・レジリエンス研修(34%)
  • 10位:書き方の研修(32%)

ここでは、ランキング上位となった人気の研修について、概要や研修内容などをそれぞれ解説します。

1位:コミュニケーション研修

リモートワークやハイブリッドワークの定着により、対面・非対面が混在する新しいコミュニケーション環境への適応が求められています。また、デジタルネイティブ世代とそれ以外の世代間における価値観やコミュニケーションスタイルの違いも、重要な課題となっています。

さらに、イノベーションや生産性向上に不可欠な「心理的安全性」の確保や、グローバル化・ダイバーシティの進展に伴う多様なバックグラウンドを持つメンバーとの効果的なコミュニケーションも必要とされています。これらの複合的な要因により、調査対象企業の62%がコミュニケーション研修を実施しており、現代のビジネス環境における最重要課題として認識されています。

「コミュニケーション研修」に関連する主な研修

コミュニケーション研修では、傾聴力や表現力、非対面での円滑な意思疎通方法、異文化間での対応力を強化します。これにより、誤解の防止や心理的安全性の向上が期待され、組織全体の生産性と連携力の強化が図られる点が注目されています。

  • コミュニケーション研修
  • ES・CSコミュニケーション研修
  • 組織活性化コミュニケーション研修

「コミュニケーション研修」に関連する記事

コミュニケーション研修|業務効率改善や生産性向上につながるコミュニケーション研修のポイントを解説

2位:伝え方の研修

膨大な情報から本質を見極め、簡潔に伝える能力や、専門知識を非専門家にもわかりやすく説明するスキルが今まで以上に求められています。また、部門間連携の増加により、異なる専門分野間での円滑なコミュニケーションも必要不可欠となっています。

さらに、組織のフラット化に伴い、水平的なコミュニケーションの重要性が高まり、提案力や説得力の向上が必須です。調査対象企業の52%が実施している背景には、これらの現代的なニーズが反映されています。

「伝え方の研修」に関連する主な研修

伝え方研修では、論理的な話し方やプレゼンテーションのスキル、相手の関心や理解度に合わせた柔軟な伝達法を学びます。これにより、情報の伝達効率を高め、意思決定やチーム連携をスムーズに進める力を養うことができます。

  • プレゼンテーション研修
  • コミュニケーション研修
  • ロジカルシンキング研修

「伝え方の研修」に関連する記事

プレゼンテーション研修|企業の競争力を高めるプレゼンテーション研修で身につくスキルや実施ポイントとは

コミュニケーション研修|業務効率改善や生産性向上につながるコミュニケーション研修のポイントを解説

ロジカルシンキング研修|論理的思考力と問題解決能力を高めるロジカルシンキング研修のポイントを解説

3位:リーダー研修

デジタル化やグローバル化による市場環境の変化に対応し、不確実性の高い状況下で的確な意思決定を行える人材が求められています。また、リモートワークの普及により、対面とオンラインを組み合わせた新しいチームマネジメントスキルの習得も急務となっています。

さらに、若手社員の早期離職防止や従業員エンゲージメントの向上など、人材定着・育成の観点からも、リーダーの役割がますます重要になっています。

「リーダー研修」に関連する研修

リーダー研修では、状況把握や意思決定の基本に加え、部下のモチベーションを高めるコミュニケーション力を習得します。さらに、リスク管理や目標達成への戦略策定を体系的に学び、変化に対応できる組織づくりをめざします。

  • リーダーシップ研修
  • 女性リーダー育成研修
  • 伝わるコミュニケーション力と横のリーダーシップ研修
  • チームを活性化させる体感型リーダーシップ研修
  • EQリーダーシップ研修
  • ハーバード流交渉学を使用したリーダーシップ研修

「リーダー研修」に関連する記事

リーダー研修|組織の目標達成に貢献するリーダーを育成するリーダー研修とは

リーダーシップ研修|実施のポイントや階層別のカリキュラム設計など解説

チームビルディング研修|組織の成果に直結するチーム力を高めるチームビルディング研修について解説

4位:コンプラ・ハラスメント研修

ワハラ防止法の施行により研修実施が実質的な義務となる中、SNSによる問題の可視化・拡散リスクも増大しています。また、リモートワークの普及により、オンラインでのハラスメントなど新たな課題も発生しています。

さらに、人材確保が困難な時代において、ハラスメント問題による人材流出や企業イメージの低下は経営リスクとして認識されています。

「コンプラ・ハラスメント研修」に関連する研修

コンプラ・ハラスメント研修では、関連する法律や社内規定の理解を深め、不適切な行為を未然に防ぐための意識改革や具体的な対応策を学びます。公正な職場環境を築くことで、社員の働きやすさと企業イメージの向上が期待されています。

  • コンプライアンス研修
  • ハラスメント研修
  • リスクマネジメント研修

「コンプラ・ハラスメント研修」に関連する記事

コンプライアンス研修|企業の社会的信用の向上や風土の改善を目指す

ハラスメント研修|ハラスメントを防ぐ研修の内容や活用ポイントを解説

リスクマネジメント研修の目的・必要性とは?学べる内容と実施するポイント

5位:考え方の研修

AIやデジタル技術の進展により、従来の業界の枠組みを超えた競争が増加する中、前例踏襲型の思考だけでは対応が困難になっています。データに基づく論理的思考とイノベーティブな発想の両立が求められます。

また、多様な価値観や文化背景を持つメンバーが増える中、多角的な視点での課題解決力も重要性を増しています。

「考え方の研修」に関連する研修

考え方の研修では、自身の視野を広げ、多角的なアプローチを可能にする思考スキルを身につけます。新しいアイデアを生み出し、チーム内の相互理解を深めるための基礎を習得する研修としても注目されています。

  • ロジカルシンキング研修
  • デザイン思考研修

「考え方の研修」に関連する記事

ロジカルシンキング研修|論理的思考力と問題解決能力を高めるロジカルシンキング研修のポイントを解説

6位:部下育成・後輩指導研修

人材不足が深刻化する中、若手の早期戦力化が求められていますが、世代間ギャップやキャリア意識の多様化により、従来の育成手法が通用しにくくなっています。また、リモートワークの普及により、対面での指導機会が減少し、新たな育成手法の確立が必要となっています。

さらに、育成担当者自身の業務負担増大や指導スキルの不足への不安も高まっています。

「部下育成・後輩指導研修」に関連する研修

部下育成・後輩指導研修では、一人ひとりの成長段階に合わせた指導方法や、モチベーションを高めるコミュニケーション技術を学びます。育成担当者がスキルと心構えを身につけることで、組織の安定的な成長と職場定着率の向上につながります。

  • リーダーシップ・コーチング
  • 後輩指導のためのコーチング実践研修
  • 部下・後輩指導のためのコーチング実践研修
  • OJTリーダー育成研修

「部下育成・後輩指導研修」に関連する記事

コーチング研修|人材育成や生産性向上につながるコーチング研修のポイントを解説

OJT研修|成果を高めるためのOJTリーダー研修の必要性

7位:⼈事評価研修

リモートワークや副業の普及により、従来の評価基準が適用しづらい状況が増加しています。また、成果の可視化が難しい職種の増加や、新しい価値創出の評価方法など、評価軸の見直しも求められています。

さらに、評価結果への説明責任や、世代間での評価基準の違いへの対応など、公平で透明性の高い評価システムの構築が必要となっています。

「人事評価研修」に関連する研修

人事評価研修では、評価基準の策定やフィードバックの手法などを学びます。明確な基準によって社員の努力が正しく報われる環境を整え、離職防止や生産性向上につなげる役割を担います。

  • 人事考課・フィードバック研修

「人事評価研修」に関連する記事

評価者研修|公正な人事評価の実現につながる評価者研修のポイントを解説

人事研修の目的・学べることとは?人事の役割や求められるスキルも解説

8位:業務改善研修

DXの推進により、従来の業務プロセスの見直しが求められる中、デジタルツールを効果的に活用した業務の自動化・効率化が急務となっています。また、長時間労働の是正が求められる中、限られた時間での生産性向上も重要な課題となっています。

さらに、人件費の上昇や競争激化により、業務の無駄を削減しコスト競争力を高める必要性も増しています。

業務改善研修では、現場のムダを見つけ出す手法や、効率的なプロセス設計のポイントを学びます。プロセスを可視化し、継続的に改善を重ねる意識を育成することで、組織全体の仕事の質とスピードが向上します。

近年はデジタル技術の活用による業務効率化も加速しており、業務改善研修の需要がさらに拡大しています。

「業務改善研修」に関連する研修

業務改善研修では、現場のムダを見つけ出す手法や、効率的なプロセス設計のポイントを学びます。プロセスを可視化し、継続的に改善を重ねる意識を育成することで、組織全体の仕事の質とスピードが向上します。

  • 働き方改革研修
  • タイムマネジメント(段取力)研修

「業務改善研修」に関連する記事

業務改善研修|目的や効果、成功のポイントとは?業務改善におすすめの研修も紹介

タイムマネジメント研修の目的や効果は?タイムマネジメントの必要性を解説

9位:メンタルヘルス・レジリエンス研修

リモートワークの普及により、職場での孤立感やコミュニケーション不足によるストレスが増加しています。また、オン・オフの境界があいまいになることで、心身の負担が高まるケースも見られます。

さらに、メンタルヘルス対策は法的な要請であるとともに、生産性の維持や人材の確保・定着の観点からも重要性を増しています。

「メンタルヘルス・レジリエンス研修」に関連する研修

メンタルヘルス・レジリエンス研修では、自分や周囲のストレスサインを早期に察知し、適切な対処を行う方法を学びます。セルフケアだけでなくチーム内でのサポート体制づくりも重要であることから、組織全体のモラルを維持する役割も果たします。

  • メンタルタフネス
  • ストレスマネジメント研修
  • アンガーマネジメント

「メンタルヘルス・レジリエンス研修」に関連する記事

メンタルヘルス研修は階層別の計画策定がポイント!メリットや目的、事例を解説

レジリエンス研修とは?必要性や目的、実施するメリットや身につくスキルを解説

アンガーマネジメント研修|個人やチーム、組織のパフォーマンス向上がかなうアンガーマネジメント研修のポイントを解説

10位:書き方の研修

リモートワークの普及により、ビジネスチャットやメールでのやり取りが増加し、正確で分かりやすい文章力が必須となっています。また、非対面コミュニケーションでは、誤解を防ぐための明確な文書作成スキルが重要性を増しています。

さらに、業務効率化の観点からも、的確な文書作成による時間短縮や手戻り防止のニーズが高まっています。

「書き方の研修」に関連する研修

書き方の研修では、論理的な構成や適切な表現方法を学び、相手に伝わりやすい文書を作成する能力を養います。特に遠隔コミュニケーションが一般化した今、文章が持つ影響力はさらに高まっており、企業内外で円滑なやり取りを続けるためにも不可欠なスキルとなっています。

  • ビジネス文章力研修
  • 文章作成能力向上研修

まとめ

労働人口の減少や人材流動性の高まりを背景に、人的資本の重要性は今後さらに高まることが予想されます。多様な人材がそれぞれの強みを活かし合える組織づくりや、デジタル時代に対応した新しいコミュニケーション手法の確立、心理的安全性を重視した職場環境の整備など、企業研修の果たす役割は一層重要になっていくでしょう。

  • 調査概要
  • 調査方法:Webアンケート
  • 調査期間:2024年2月29日~3月4日の計5日間
  • 回収件数:300名
  • 調査対象者:民間企業に勤める人事・研修担当者
    ※従業員数1,000名未満の企業が44%、1,000名以上の企業が56%

本調査結果は、ホワイトペーパー「社員研修の実態と本音~2024~」から一部データを抜粋・編集して紹介しています。

この記事を書いた人

研修メディア監修者・廣瀬哲人

当メディアの監修者:廣瀬哲人
株式会社ENロジカルの代表取締役として、企業研修・Eラーニングの開発や提供を行っています。京都大学在学中に、脳科学についての研究を行っており、現在ではAI(人工知能)技術のビジネス活用など、デジタル技術に精通した専門家として、ChatGPTなど生成AIの活用やDX人材の育成に関する企業研修・セミナー・講演講師を務めております。
株式会社ENロジカルとは

企業研修ならヒューマンアカデミー

ヒューマンアカデミーでは、ご要望・課題に合わせて最適なカリキュラムとプロ講師の選定で充実した企業研修をご提供しています。お気軽にご相談ください。