リーダーシップ研修|実施のポイントや階層別のカリキュラム設計など解説

変化の激しいこの時代を生き抜くために、企業には様々な対策が求められています。その中の一つが「リーダーシップを持つ人材の育成」です。変化が激しいということは、将来の見通しが不安定になるということです。
そのような中で、リーダーシップを軽視すれば、組織の方向性が曖昧になり目標達成が困難になったり、意思決定スピードが落ちるなど、運営上のリスクが高まることでしょう。

組織を牽引するリーダーの存在は、変化の激しい時代を生き抜くためには必要不可欠です。企業としても組織内でリーダーとなる人材の育成・確保は急務となっているでしょう。
しかし、企業内におけるリーダーシップは、生まれつきの資質ではなく、研鑽を積むことで向上できるスキルです。そのため、社員のリーダーシップ力を高めるためには、研修の仕組みを整備することが重要です。

この記事では、リーダーシップ研修の目的やポイント、具体的なカリキュラム例について解説していきます。

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リーダーシップ研修とは?

リーダーシップ研修は、主に組織の中堅社員やベテラン社員を対象に、管理職やプロジェクトリーダーとして必要な資質を高めることを目的とした研修です。

対象者は、管理職候補やリーダー候補として、チームを率いる可能性があるスタッフが想定されます。この研修を通じて、リーダーシップマインドの向上や、組織への貢献意識の醸成、部下育成力の強化などの効果が期待できます。

カリキュラム内容としては、リーダーシップの理論やコーチング、ファシリテーション、目標設定、組織変革の進め方など、幅広いスキル習得が目指されます。ロールプレイングやケーススタディなどの実践型手法を取り入れることで、理論だけでなく実践力も身につけられるようにすることが重要です。

リーダーシップ研修の本質的な目的

リーダーシップ研修の目的は、組織の中核となる管理職やリーダー候補の社員に、リーダーシップスキルを体系的に習得してもらうことにあります。部下の動機付け、目標設定、コミュニケーション力などを高め、組織を牽引する人材を多く輩出することを目指します。

リーダーシップ研修の対象者

リーダーシップ研修の主な対象は、現在管理職として部下を持っている社員と、リーダー候補生の2つが挙げられます。既存の管理職には日頃の行動変容を促し、後継育成の対象には将来のためのスキル習得を期待することができます。階層別に解説します。

①新任管理職

リーダーシップ研修の対象となる中で、重要度の高い階層です。部下を持つ立場になった時点で、リーダーシップに関する理論やスキルを学ばせる意義は大きいでしょう。

この階層に対してリーダーシップ研修を実施する際に意識したい内容は、リーダーとしての心構えと基本的なスキルの習得です。上司から部下への立場変化、組織的な視点の重要性を理解し、コーチングや評価などの方法を学ぶことが求められます。

②管理職候補のベテラン社員

管理職候補のベテラン社員は、ネクストリーダーとして組織を牽引することが期待される階層です。ベテラン社員には、マネジメントスキルだけでなく、戦略的思考力とビジョン構築能力が求められます。所属する部門を超えた視野と行動力を養成することがポイントになります。

視座を一段階高めるためのカリキュラム設計が必要です。

③若手社員のうちリーダー候補

今はまだ現場社員として活躍する若手社員に対しても、リーダー候補として研修を実施することは有効です。リーダーの心構えと基礎的なスキルに加え、組織や人を動かす原動力となるモチベーションや行動力を高めることが重要です。

④現役の管理職に対するフォローアップ研修

現役管理職には、時代の変化に合わせたリーダーシップのアップデートが課題となります。リーダーシップ論と合わせて、組織開発の新手法や、デジタル化対応力の向上など、テクニカルな最新知識の習得と実践ができるカリキュラム内容を設計するのが有効です。

管理職に対する研修として、「管理職研修」もリーダーシップ研修に類似するものです。
管理職研修について、詳しく解説した記事もございますので合わせてご覧ください。

管理職研修|効果的なカリキュラムを階層別に解説

階層別に異なるカリキュラム設計を

リーダーシップ研修の重要な対象となる4階層について説明しました。リーダーシップ研修と一口に言っても、階層別に求められる研修内容・カリキュラム設計は異なります。そのため、組織においてどの階層にリーダーシップ研修を施したいのかをしっかりと計画しておくことが重要です。

また、社員全員を対象とした基礎的なリーダーシップ研修も重要です。組織全体としてリーダーシップ力を高めるうえで効果があります。副次的に従業員間のコミュニケーションを活性化することも期待した設計にすることも有効です。

リーダーシップ研修実施のポイント

研修効果を高めるには、論理的な理解と実践力の両面を習得する必要があります。ケースメソッドやロールプレイングなど体験型学習を取り入れることも有効でしょう。

リーダーシップ研修実施のポイントについて、4つの観点で解説します。

①理論と実践をバランスよく組み合わせる

理論だけでは、実際の行動変容に結びつきにくいため、研修の成果をしっかりと実務に落とし込めるよう、実践項目も含めましょう。

リーダーシップについてのマインドセットなど基本的な理論から、ケーススタディやロールプレイングを取り入れることで、実践力の習得を図るとよいでしょう。

②対象者に合わせたカリキュラム設計

対象者ごとのポイントでも解説した通り、管理職と若手社員では、習得すべき内容が異なります。また、研修に対するモチベーションを維持するためにも、対象者に合わせたレベル感にすることが大切です。特に難易度が低すぎると、惰性での参加になってしまう恐れが高くなります。

③実践型学習を取り入れる

グループディスカッションやプレゼンテーションなどを研修の最後に実施することで、研修の参加者に適度な緊張感を持たせることができ、能動的な参加を促すことが可能です。

④研修実施後の評価

研修の効果を測定することも重要です。評価を実施することで、研修で学んだ内容が実際の業務の中で活かされているかを確認できます。受講者の行動変容が生じているなど、企業研修の施策としての有効性を判断する材料を得ることも可能です。

また、研修内容の習得度や改善点を明らかにすることができます。これは次回の研修企画に活かす上で欠かせないフィードバック情報になります。

加えて、研修の効果測定を行うことにより、人材育成への投資対効果を評価することが可能となります。経営陣に対しても研修の成果を客観的に示すことができるでしょう。受講者にとっても、納得感と学習意欲の向上につながります。

適切な評価プロセスを実施することで、リーダーシップ研修の質と効果を継続的に高めることができます。人材育成における必須の要素といえるでしょう。

リーダーシップ研修のカリキュラム例

主に、現場を引っ張る若手リーダーを対象に、職場の活性化のためのコミュニケーションスキルや、ストレスマネジメントスキルを身に付けていただく研修です。リーダーである自分に求められる役割を認識していただきます。

リーダーシップ研修の目的

  • リーダーシップの原理原則を学ぶ
  • 上司の補佐役としての関わり方と後輩の育成方法、心の在り方を学ぶ

リーダーシップ研修に期待される効果

  • リーダーシップ研修に期待される効果
  • リーダーシップ能力を発揮することができるようになる
  • 部下の自発性を促すことで、成長を促すことができる
  • 報告・連絡・相談がスムーズに行われ、ES・CSに繋がりやすくなる
  • 職場上席者として、期待される結果を残せるようになる
  • リーダーシップ研修のカリキュラム例

リーダーシップ研修のカリキュラム例

リーダーシップ・コーチング

時代はすでに、情報化社会から感性価値創造社会へと変化のうねりをみせており、変化の激しい時代においては人と共感し、惹き付け、動かすことのできるリーダーの存在が重要なキーワードとなります。

このような状況にあって、まずリーダーは、マネジメントとリーダーシップの違いを知る必要があります。経営におけるマネジメントの目的は安定。そしてリーダーシップの目的は、変革です。これらは、どちらか一方が正しいというわけではありません。常におかれている環境を直視した上でバランスを変化させることが、もっとも重要なのです。
また、勝負に勝てるリーダーには目的と目標の違いを明確に認識し、周囲と共鳴しながら事を成すことができる能力が必要です。これもリーダーとして使いこなすべき考え方、フレームワーク思考のひとつです。そして、今日のリーダーが身に付けるべきスキルのひとつに、コーチングス・スキルがあります。ただし、コーチングは、単にハウツーを学んだだけでは何の役にも立ちません。

本研修の目的は、変革の時代に生きるリーダーとして、コーチングの本質を理解、実践することにあります。

研修の目的

  • リーダーシップ とマネジメントの違いを知る
  • 実践ワークを通して、コーチングスキルを習得、自身の目的、目標、行動を決める

期待される効果

  • 部下が自発的に行動ができるように気付きを与え、行動を促すことが できるようになる
  • メンバーと一緒に活性化したチームを作るための コーチングスキルが身に付く
  • 成果を期待以上に達成できる組織・業績を高める強い組織へと導くことが できるようになる

リーダーシップ・コーチングのカリキュラム例

EQリーダーシップ研修

競争激化の環境下で、組織が常に高い目標を捉えて行くには、効果的な方法で優れた成果を出し続ける管理職を増やさなければなりません。今日の管理職には、絶え間ない組織の要求に応え、自己及び組織を常に改善し続けることが求められます。その為には、個々の役割を明確にし、多様なメンバー一人ひとりを動機付けながら、個々の総和以上の力を発揮できる組織作りを目指さなければなりません。本研修では、高業績を残している「ハイパフォーマー」と呼ばれる人達の経験則から得られた『成果を出すために重要なマネジメント手法』を学習して頂きます。優れたリーダーは、ほぼ例外なく対人関係能力に優れ、相手の感情を理解した上で影響力を行使して、組織のパフォーマンスを向上させています。

EQリーダーシップ研修の目的

  • ポジティブで活気ある職場風土を築く
  • 部下のストレスを適度な状態にし、健全な職場環境を築く

EQリーダーシップ研修に期待される効果

  • 部下が活き活きと仕事をしている活気ある職場風土の具体的イメージが持てる
  • 部下が活き活きと仕事をしている活気ある職場風土を自ら望み、実現を目指そうという行動が始まる
  • 多様なメンバー一人ひとりを動機付けながら、個々の総和以上の力を発揮できる組織
  • 作りを目指すようになる

EQリーダーシップ研修のカリキュラム例

リーダーシップ研修にお困りですか?

VUCAの時代とも呼ばれる先読みが難しい現代において、組織の方向性を定めて牽引していくリーダーシップの醸成は重要性を増しています。リーダーシップ研修を効果的に活用することで、変化に強く、マネジメント力の高い人材の成長を促すことができるでしょう。

またリーダーシップ研修を実施するにあたっては、階層ごとに適切なカリキュラム設計を行い、実施後の効果測定も合わせて行うことが重要です。

リーダーシップ研修の実施でお困りがあれば、企業研修で実績あるヒューマンアカデミーまでお問い合わせくださいませ。

この記事を書いた人

ヒューマンアカデミー企業研修編集部

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