研修メディア監修者・廣瀬哲人 
昨今のビジネスシーンにおいて「VUCA」という言葉を耳にする機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
VUCAは「予測困難な変化が激しく、不確実な時代」ということを意味します。このVUCAな環境に適応していくためには、従来の考え方を変え、状況に応じた柔軟な思考が必要不可欠です。VUCAを理解し対応力を高めることは、企業が継続的に成長していくために欠かせない要素とされています。
本記事では、VUCAの意味と企業が直面する課題、VUCA対応力を高める方法について解説します。
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VUCAとは？
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉です。
これは、現代の不安定な環境を表す言葉として用いられています。具体的な例を挙げると、新型コロナウイルスの蔓延です。コロナ禍では、人々の生活様式や価値観など根底から変化が起きたことで、企業にも大きな方向転換が求められました。
この出来事は、VUCAという言葉がより広まるきっかけとなりました。激しく変化する世界では、先が読みにくく複雑で曖昧な状況が珍しくなく、VUCAという言葉がこの時代の特徴を表しているのです。
Volatility：変動性
Volatility(変動性)とは、社会構造や技術が加速度的に変化していることを意味しています。現代は、変化のスピードが以前に比べて著しく速くなり、時代のトレンドが目まぐるしく移り変わる社会になりました。
それと同じくして事業環境の変化も激しく、先の展開が予測困難な状況が増えています。消費者ニーズは多様化し流動的になり、企業にとっては変化の兆候をいち早く捉え、迅速な対応と切り替えが求められる時代です。新興技術への適応ができない企業は淘汰されるリスクも生じているといえるでしょう。
Uncertainty：不確実性
Uncertainty(不確実性)とは、先行きが不透明で見通しが立てにくい状況を意味しています。
将来の展開を正確に予測することが困難で、リスクや不確定要素を完全に把握できない状態です。因果関係が読み取りにくく、原因と結果が一致しないことも珍しくありません。このような環境下では、意思決定に対する自信が持てず判断材料が不足することが多くなります。
試行錯誤を重ねることで方向性が見えてくるケースも多く、直感や洞察力が判断力の源となることが多いのがUncertaintyの特徴です。
Complexity：複雑性
Complexity(複雑性)とは、問題の構造が以前に比べてより複雑化し、一元的な解決が難しくなっている状況を指しています。グローバル化や情報化に伴い、社会やビジネスの関係性が複雑に絡み合うようになり、個々の要因を特定しにくくなっています。一つの答えだけでは対応できず、多面的な視点でのアプローチが必要です。
また、文化的背景の異なる人々とのコミュニケーションも難しさを増しており、自文化中心主義的な思考だけでは通用しなくなっています。
Ambiguity：曖昧性
Ambiguity(曖昧性)とは、正解があいまいで解釈の範囲が広がっている状況を意味しています。現代社会は、グローバル化と情報化により、一つの事象に対する見方や考え方が多様化している状況です。
そのような中で、正しい答えや最適解が存在しないケースも増えており、自分の価値観に基づいて判断することが求められます。データからは読み取れないニュアンスも重要視されるようになり、直感と洞察力が情報解析力と同等に評価される傾向があります。Ambiguityの時代では、自分の信念を軸に物事を判断し、他者との対話を通じて意味を創造的に解釈する能力が重要視されています。
VUCAが注目される理由
VUCAが注目される理由は、現代が変化が激しく予測困難な時代であることに起因しています。グローバル化と技術革新のスピードが速まり、社会構造や価値観が劇的に変化しています。その変化の速さと不確実性に、既存の考え方では対応できなくなっているのです。
VUCAという言葉がクローズアップされる背景には、この先の展開を予測して計画的に進める古典的なマネジメント手法の限界がある、という認識もあるでしょう。
VUCAという新語が注目されたことで、変化への対応力や柔軟な思考が新たに重視されるようになったと言えます。
VUCA時代を生き抜く組織の特徴
VUCAな時代を生き延びる組織の特徴として、変化への対応力が高く、環境の変化に柔軟に適応できる点が挙げられます。
具体的には、迅速な意思決定を可能にするフラットな組織構造を採用し、自律的な行動を支援する文化を醸成していることなどです。
また、新しいアイデアを取り入れる実験精神が組織の各層に受け入れられており、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢が奨励されています。変化先読みのための情報収集に注力し、環境変化への対応力強化のために継続的な学習と改善を重視しているのも特徴といえます。
VUCA時代に求められる人材の特徴
VUCAな時代に求められる人材には、不確実な状況下でも自律的に行動できる適応力が問われます。具体的には、与えられた情報だけでなく、状況を多角的に分析し、先読みする洞察力が必要となります。
また、既存の枠組みにとらわれることなく、柔軟な思考で新しいアイデアを創造できる能力が重要視されます。主体性を持ち、失敗を恐れずにチャレンジする心構えも求められます。新しいことへの好奇心と探求心を保ち、自己研鑽を重ねてスキルを磨き続けることもVUCA時代に対応できる人材の条件といえるでしょう。
また、VUCA時代に対応する組織を作るためにも、最新の企業研修の導入も必須です。
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VUCAに適応した組織作りをするならまとめ
VUCAは先が読みにくい激動の時代を表す言葉です。この環境下で求められるのは、変化への対応力と不確実性に立ち向かう力です。時代の変化に目を向け、柔軟な組織と人材を育成する必要があるでしょう。
