マネジメントとは?令和の時代に求められるマネジメントスキルを解説

企業が成長を遂げていく上で、マネジメントの果たす役割は極めて重要です。

優れたマネジメントがあれば、組織は円滑に機能し、目標達成に向けて効率的に事業を推進することができます。しかし、マネジメントの在り方次第では、組織に陰りが生じ、かえって足枷になってしまうリスクもあります。

令和の時代に入り、社会環境は目まぐるしく変化しており、これまでのマネジメントの概念を見直す必要に迫られています。Z世代など、価値観の異なる若手人材に対してのマネジメントに悩んでいる企業も散見されます。

本記事では、マネジメントの本質と重要性を解説するとともに、令和時代に求められるマネジメントのあり方について考えていきます。

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マネジメントとは?

マネジメントとは、経営資源を効率的に活用し、組織の目標達成に向けて統率することを指します。人材、物品、資金、情報などの経営資源を適切に配分・活用する一連の活動がマネジメントの中核を成すこともあります。

単に部下を統率するだけでなく、業務の調整・指揮監督から、戦略策定、意思決定に至るまで、マネジメントが関与する範囲は広範にわたります。

マネジメントの重要性

優れたマネジメントがあれば、組織は高い生産性と成果を上げることができます。

一方で、マネジメントに課題があると、組織は混乱に陥り、結果として企業の業績にも悪影響が及びかねません。

マネジメントは企業経営における要であり、その良し悪しが組織のパフォーマンスを大きく左右するのです。特に大企業などの大規模組織では、マネジメントの重要性はより高くなります。優秀なリーダーの下で有能な部下が力を発揮できる環境を整備することが不可欠となるでしょう。

マネジメントの手法

マネジメントを実践する上で欠かせないのが、様々なマネジメント手法の活用です。目標管理、業績評価、モチベーション向上施策などに加え、近年では、多様な人材を受け入れるダイバーシティマネジメントの必要性が高まっています。

また、テレワークの普及に伴い、リモートマネジメントの手法についても学ぶ必要があります。さらに、デジタル化の波に乗り遅れることなく、デジタルツールを効果的に活用することも重要なポイントとなるでしょう。

マネージャーの役割

マネジメントを実践する中心的な役割を担うのがマネージャーです。マネージャーには、様々な役割と責務が求められます。

部下一人ひとりの適性を見極め、最大限の力を引き出せるよう、目標設定から人材育成、チームビルディング、部署間の調整など、幅広い業務をこなさなければなりません。加えて、会社の経営理念やビジョンを体現し、部下に対する大きな影響力を持つリーダーとしての自覚も不可欠です。

目標設定

マネージャーの重要な役割の一つが、適切な目標設定です。組織の目標を具体的な数値目標に落とし込み、部署や個人にブレークダウンして割り当てることが求められます。

目標設定を誤ると、従業員のモチベーションが低下したり、組織が紛糾したりするリスクがあります。目標は、困難すぎず容易すぎず、かつインセンティブとなるよう、慎重に設定する必要があります。また、一方的な押し付けではなく、部下と十分なコミュニケーションを取りながら設定することが理想的です。

人材育成

優秀な人材を確保し、その力を最大限引き出すことが、マネージャーの大きな責務の一つです。人材育成には、OJT(職場内訓練)や研修の機会の提供、メンター制度の活用など、様々な施策が考えられます。

部下一人ひとりの長所や短所、強みや弱みをきちんと把握し、適切な育成プランを立てることが肝心です。また、キャリアビジョンを共有し、モチベーションの維持・向上にもつなげることが求められるでしょう。

OJT研修について詳しくは以下記事もご覧ください。

OJT研修|成果を高めるためのOJTリーダー研修の必要性

チームビルディング

マネージャーは、部下を単なる集合体にすることなく、一丸となって高い目標に向かうチームへと結びつける役割があります。メンバー間での円滑なコミュニケーションを促進し、お互いの強みを理解し合えるよう促すことが重要になります。また、心理的安全性の確保や、チームとしての一体感の醸成にも力を入れる必要があります。チームビルディングを怠ると、せっかくの人材の力を結集できず、目標達成が難しくなります。

部署・部門間の連携

マネージャーには、自部署内だけでなく、他部署や他部門との円滑な連携を図る役割も課されています。特に大企業では、バラバラに業務が行われがちになるため、全社的な視点からマネジメントを行い、組織横断的な調整を行うことが欠かせません。部門間での連絡会議の開催や、情報共有のための場の設定など、コミュニケーションの活性化に努める必要があります。

場合によってはNGなマネジメント手法

時と場合によっては、適切でないマネジメント手法に気を付けなくてはいけません。

適切でないマネジメント手法を取ってしまうと目標達成の困難や、メンバーのモチベーション低下、離職などに発展する可能性もあります。

マイクロマネジメント

マイクロマネジメントとは、部下の仕事に対して過剰に介入し、細かく指示を出すマネジメント手法のことです。

新入社員やアルバイトなど、経験が浅かったり、権限が小さいスタッフに対しては有効な場合がありますが、能力ある部下のやる気を失わせ、創造性を阻害してしまうリスクがあります。

明確に一定の裁量権を与え、部下を信頼することが大切です。「明確に」というのがポイントで、「何をどこまで判断して進めてもよい」と定量的に明文化しておくことで、自己判断で進めやすくなります。

明文化していないと、自己判断で進めた結果、失敗してしまい、さらなるマイクロマネジメントに発展するなど負のループに入ってしまう可能性があるでしょう。

過度にフラットな風土

近年、フラット化が進んでいる企業も多い中で、上下関係を無視し過ぎた風土には注意が必要です。ある程度の階層と規律は組織には欠かせません。

指示命令系統が不明確になれば、マネジメントがうまく機能しなくなるおそれがあります。

プレイングマネージャー

マネージャー自身が過度に業務に関与し、実務者的な立場で動くプレイングマネージャー姿勢は避けた方がよいことがあります。基本的には、マネージャーはマネジメント業務に専念し、部下に実務を任せるべきです。自らが実務に没頭してしまうと、マネジメント不全に陥りかねない為です。

また部下も「自分がやってもどうせ修正されるから、やらなくてもいいかな」などと主体性やモチベーションを失ってしまう可能性もあります。

よくある組織の失敗として、部長が課長の仕事をし、課長がメンバーの仕事をし、メンバーがアルバイトの仕事をするなどという例もあります。職責に応じた適切な業務を行わなければ、人件費に対する採算が合わなくなり、企業の売上にも響く可能性があるといえるでしょう。

まとめ

企業経営において、マネジメントは極めて重要な役割を担っています。令和の時代に入り、社会環境が大きく変化する中で、マネジメントのあり方も変革が求められています。マネージャーには、目標設定、人材育成、チームビルディング、部署間連携など、多岐にわたる任務が課されています。

一方で、マイクロマネジメントや過度の平準化など、適切でないマネジメント手法にも注意が必要です。優秀な人材を最大限活かし、組織として高い生産性と成果を上げるためには、時代に合ったマネジメント力の発揮が欠かせません。絶えず変化する環境の中で、マネジメントのあり方を見直し、進化させていく姿勢が重要となるでしょう。

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この記事を書いた人

ヒューマンアカデミー企業研修編集部

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