「オブザーバー」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。会議や研修、イベントなどで、参加者の1人として加わりながらも発言をしない立場を指します。
本記事では、オブザーバーの役割と意義について詳しく解説します。会議において、発言をしないオブザーバーが会議の質を高め、生産性の向上に役立つ理由がわかります。
オブザーバーを会議に招くことのメリットを知ることで、自社の会議の進め方を改善するヒントが得られるはずです。オブザーバーとして任命されて、どうすればいいのか分からないという人もぜひご覧ください。
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ビジネスにおけるオブザーバーとは?
オブザーバーとは、会議、研修、イベントなどにおいて、進行を監視し、参加者の発言内容や会場の雰囲気を記録する役割を担う人物のことを指します。オブザーバーは参加者の一人として会議に加わりますが、議論には基本的に関与せず、傍観者として客観的な立場を保ちます。
オブザーバーの主な役割は、発言が過熱した際に介入して冷静な議論を促したり、発言が偏っている場合に公平性を求めたりすることです。会議の終了後には、記録した内容を元に参加者へのフィードバックを行うこともあります。
オブザーバーがいることで、参加者は発言内容に責任を持ちやすくなり、会議の質が向上するというメリットがあります。近年ではビジネスシーンでオブザーバーを招くことが増えてきています。
オブザーバーがやるべきこと
オブザーバーに求められる主な役割は、会議の進行状況や参加者の発言内容、雰囲気などを記録することです。そのためにオブザーバーは、発言者の表情や声のトーン、会場の反応などを細かく観察し、メモを取る必要があります。
また、発言が偏ったり過激になった場合は、適宜発言者に注意を促すなど、会議を円滑に進めるようにすることもオブザーバーの役割です。議論が行き詰った際には、新たな視点からの提言をするなど、議論を前に動かす工夫も求められるでしょう。
会議終了後は、記録した内容を整理・分析し、会議の成果や改善点を参加者に報告することが大切です。オブザーバー自身の意見は控えめにし、主観を避けた客観的な報告をすることが望まれます。
議事録を取る必要がないことも
オブザーバーは、必ずしも議事録のような詳細な記録を取ることが求められているわけではありません。
一方で、企業によってはオブザーバーが議事録を作成するケースもあります。オブザーバーに任命された際は、会議中における詳細な業務スコープについてすり合わせを行うことが望ましいといえます。
議事録の作成は基本的には会議の運営スタッフが担当するものです。しかしながら、オブザーバーに議事録を付ける義務が課されていなかったとしても、補助的に記録を取り、議事録担当者に共有することで、より充実した議事録作成に役立てることができます。状況に応じて対応するのがよいでしょう。
評価されるオブザーバーの特徴
評価されるオブザーバーに共通する特徴は、高い観察力と分析力を持っていることです。オブザーバーは、会議中の細かな変化に気づく観察力が欠かせません。参加者の表情やジェスチャー、会場の反応などを敏感に捉えることができなければ、的確な記録や介入ができないためです。
そして、記録した内容を論理的に分析し、的確な報告書を作成できる分析力も必要です。単に事実を羅列するだけでなく、会議の流れや議論の焦点を把握した上で、改善策を提言できる力が求められます。
このような力を持ち合わせたオブザーバーであれば、参加者からの信頼も厚く、会議の質の向上に大いに貢献できるでしょう。
オンライン会議におけるオブザーバーの役割と留意点
オンライン会議のオブザーバーは、対面会議と同様に進行の監視と記録を行いますが、留意すべき点があります。まず、カメラを通しての表情や声のトーンの見極めが難しいため、発言内容に集中して聞き取ることが大切です。事前のアジェンダ理解はもちろんのこと、発言回数の偏りや、議論の活発度など、その場の状況を把握することが重要でしょう。
また、オンラインでは発言しにくい人も出てくるので、適宜そうした参加者に発言を促すなど、進行サポートを行うこともオブザーバーの役割です。個人の状況が見えにくいオンライン会議だからこそ、オブザーバーが公平な進行を心がけ、記録とフィードバックを行う意義は大きいと言えます。
まとめ
オブザーバーが公平な立場で参加することで、会議の進行がスムーズになり質が高まります。オブザーバーを設けていない会議の機会も多いかと思いますが、会議体制にオブザーバーを取り入れることで、会議の効率化と充実化が図れるでしょう。