成果の出るフォローアップ研修とは?|本質的な目的や効果的な内容を解説

企業において、組織の力を高めるために若手社員の戦力化が欠かせません。新卒採用を行っている企業では、毎年入る新しい人材を戦力化しつつ、新しい価値観や挑戦的な風土を拓いてくれることを期待しているのではないでしょうか。

そのような若手社員の早期戦力化を図る目的で実施されるのが「フォローアップ研修」です。今回は企業研修で実績のあるヒューマンアカデミーがフォローアップ研修について解説していきます。

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フォローアップ研修とは?

フォローアップ研修とは、新入社員研修などの基礎研修に引き続き、入社1~3年目の若手社員を対象に実施される実務研修です。

新入社員研修ではビジネスマナーや業務基礎知識の習得が中心になりがちですが、実際の業務を遂行する上ではイレギュラーも発生するため、応用的な実務スキルが求められます。フォローアップ研修は基礎と応用の間を埋めるための研修として、理論と実践の架け橋となる位置づけになります。

フォローアップ研修では、若手社員が入社当初に学んだ知識を再確認し、業務における知識の活用方法を学ぶことで、スキルの定着と向上を図っていきます。OJT研修との連携を密にし、実務経験も踏まえた演習やケーススタディを取り入れることがポイントです。

このようにフォローアップ研修は、初期研修と中堅社員研修の間を埋める実践重視型の研修として、若手社員の早期戦力化を促す目的が大きいと言えます。

フォローアップ研修の対象社員

フォローアップ研修は、主に入社1〜3年目の若手社員を対象としています。入社当初は新入社員研修で会社の仕組みや基礎的な業務知識を学習しますが、実際の業務に就いて初めて感じるギャップが生じます。

フォローアップ研修はそのギャップを埋め、学んだ知識を業務でどう具体化するかを学ぶ場となります。1年目は基礎知識の再確認、2年目は業務遂行能力の向上、3年目は応用力の強化など、経験年数に応じたカリキュラムを設定するのが一般的です。

その他にも、中途社員向けにフォローアップ研修が行われることもあります。

フォローアップ研修の本質的な目的

企業が社員に対して研修を行う上で、目的を理解して実施することが重要です。研修の実施者と受講者双方が目的を理解することで、研修に対する理解や満足度に繋がっていきます。

フォローアップ研修の本質的な目的としては、以下の点が挙げられます。

①新入社員研修で学んだ知識の実務への落とし込み

新入社員研修では知識の習得に重点が置かれますが、その知識を実際の業務でどう活かすかを学ぶことに重きを置くのがフォローアップ研修です。フォローアップ研修は、若手社員が実務の中で学んだことを実践し、自信や自己効力感に繋げ、次のステップへと成長させる目的があります。

②実務遂行能力の向上

フォローアップ研修では理論と実践の差を埋めて、現場で求められる判断力や実行力を養成することも目的のひとつです。特にOJT研修との連携により実務スキルと経験の定着を、フォローアップ研修で促進することでより高い効果が期待できるでしょう。

OJTとOff-JTを組み合わせ、経験と学習を両輪として育成していくことがポイントです。OJT研修については以下の記事で詳しく解説しています。

OJT研修|成果を高めるためのOJTリーダー研修の必要性

③業務遂行の自信醸成とステップアップ

フォローアップ研修の目的として、理論を実践へと落とし込んだ結果、自らの力で仕事を遂行することで自信を育み、中堅社員へのステップアップを支援することもあります。

このようにフォローアップ研修は、若手社員の実務力を高め、本格的に企業の戦力となる人材へと育て上げるための研修の集大成といえるでしょう。

フォローアップ研修の必要性

入社1~3年目の若手社員を見ていると、既に戦力化している人材が見え始め、フォローアップ研修の必要性を感じづらいという方もいるかもしれません。

改めてフォローアップ研修の必要性について整理してお伝えします。

①若手社員のレベル均一化が図れる

もともとの素質やOJT研修の担当者の違いなどにより、入社1~3年目の若手社員の間でもスキルに開きが出てくることがあります。

フォローアップ研修により、現状のスキルに不安を感じている社員の不安を取り除き、実務に落とし込むポイント理解や、実践を通しての自信醸成などにより、仕事の能力を高めることができます。

若手社員間のレベル均一化を図ることで、社員同士のヒエラルキーを低減し、より競争意識を育み組織の活性化にも繋げることができるでしょう。

②離職率の改善

厚生労働省の「令和2年度における新規学卒就職者の離職率」によると、新規大卒就職者で31.2%が離職するというデータとなっています。例年のデータを見ると新卒3年以内に一定数の退職者は出る傾向になっていますが、研修の実施により離職率の改善に繋がる可能性があります。

フォローアップ研修では、入社1~3年の若手社員に対してスキルアップに繋がる機会を提供することで、モチベーションが向上し、離職防止の効果が期待できます。

このようにフォローアップ研修は複数の効果が期待でき、その必要性は高いと言えます。

フォローアップ研修の実施タイミング

フォローアップ研修の適切な実施タイミングを把握しておくことも重要です。対象となる社員の年度によっても内容が変わってきます。

入社1年目

基礎知識の再確認を中心とし、新入社員研修の内容を振り返り実践に繋げる内容。必要に応じてビジネスマナーや顧客対応についても振り返ります。

入社2年目

1年間の業務経験をふまえ、実務スキルの向上に重点を置く内容になることが多いです。実務経験が足りないと考える社員も多い年次のため、OJTと組み合わせて実施することでより効果を期待することができます。

入社3年目

主に業務の応用力や問題解決力の強化を図る内容です。中堅社員への準備期間として独り立ちをするためのフォローアップを行います。このタイミングでは、実務遂行に対する不安の解消と自信の醸成を狙いとすることで、社員の戦力化を効果的に行うことができるでしょう。

その他にも、四半期ごとのタイミングやプロジェクトの節目でフォローアップ研修を実施することで、スキルの向上と知識の定着を図ることが可能です。

フォローアップ研修の実施手順

フォローアップ研修の実施手順

フォローアップ研修は、以下5つの手順に沿って実施しましょう。

  1. フォローアップ研修の目的と内容の設定
  2. 研修カリキュラムの作成
  3. 講師の選定と教材の準備
  4. 研修の実施とフィードバック
  5. フォローアップとOJTとの連携

①フォローアップ研修の目的と内容の設定

フォローアップ研修を実施する際は、まず目的を明確にし、それに沿った内容を設定することが重要です。新入社員研修で学んだ知識を再確認し、実務での活用方法を習得することを主眼に置きましょう。

若手社員の業務経験や課題をヒアリングし、それらを踏まえた実践的な内容にすることがポイントです。

座学だけでなく、ディスカッションやロールプレイングなどの参加型の演習を取り入れ、知識の定着と応用力の強化を図ります。

②研修カリキュラムの作成

研修カリキュラムは、座学だけでなく参加型の演習を多く取り入れると効果的です。グループワークやロールプレイング、ケーススタディなどを通して、実務で直面する課題解決に役立つプログラムを盛り込みましょう。

また、現場でのOJTとの連携を意識することが重要です。若手社員が研修で学んだことを実践に移せるよう、カリキュラムを工夫することが求められます。

③講師の選定と教材の準備

研修の目的やカリキュラムに合わせて、適切な講師を選定しましょう。社内の経験豊富な先輩社員やマネージャーに講師を依頼するのも一つの方法です。

また、研修で使用する教材や資料は、参加者が理解しやすいようにわかりやすくまとめることが大切です。講師と教材の質が、研修の効果に大きく影響します。

④研修の実施とフィードバック

研修の実施では、参加者の理解度を確認しながら双方向のやり取りを心がけましょう。研修後は参加者にアンケートを取り、フィードバックを収集することが重要です。

また、上司との面談で研修の効果を確認し、今後の育成につなげていくことが必要不可欠です。

フィードバックを活かし、研修内容の改善を図ることが継続的な人材育成につながります。

⑤フォローアップとOJTとの連携

研修で学んだことを実務で活かせるよう、継続的なフォローアップが欠かせません。上司や先輩社員によるOJTと連携し、日常業務の中で若手社員の成長を支援していきましょう。

定期的に振り返りの機会を設け、スキルの定着と向上を図ることが肝要です。フォローアップ研修とOJTが効果的に連携することで、若手社員の早期戦力化が実現します。

フォローアップ研修の効果を高めるポイント

フォローアップ研修の効果を高めるポイント

フォローアップ研修の効果を高めるポイントは以下の通りです。

  • 研修内容の適切な設定
  • OJTとの連携強化
  • 参加型の演習の導入
  • フィードバックの徹底
  • 継続的な実施と改善

ポイントを押さえてフォローアップ研修を実施し、研修効果を最大限に高めましょう。

研修内容の適切な設定

フォローアップ研修を成功させるためには、若手社員のニーズや課題に合わせた適切な内容設定が不可欠です。入社後の業務経験で直面した問題や、新入社員研修で学んだ知識の実践応用に焦点を当てましょう。

また、社内の各部署や先輩社員からのフィードバックを参考に、実務で必要とされるスキルを盛り込むことが大切です。研修内容が若手社員の実情に即していることが、研修の効果を高めるポイントとなります。

OJTとの連携強化

フォローアップ研修は、OJTと密接に連携させることが成功のカギを握ります。研修で学んだ知識やスキルを、実際の業務で実践できるようサポートする体制が必要です。

そのため、上司や先輩社員との継続的なコミュニケーションを通じて、若手社員の成長を見守り、適切なアドバイスを提供しましょう。研修とOJTが有機的に結びつくことで、若手社員の能力開発がスムーズに進みます。

参加型の演習の導入

講義形式の研修だけでは、実践力の向上は望めません。フォローアップ研修では、参加型の演習を多く取り入れることが効果的です。

ロールプレイングやグループディスカッション、ケーススタディなどを通して、若手社員が主体的に考え行動する機会を提供しましょう。実践的な演習を積み重ねることで、知識の定着と応用力の強化が図れます。

座学と実践のバランスが取れた研修設計が、若手社員の成長を促進します。

フィードバックの徹底

研修の効果を最大限に引き出すには、適切なフィードバックが欠かせません。研修中は参加者の理解度を確認しつつ、積極的な質問やコメントを促しましょう。

研修後は、上司との面談で研修内容の振り返りを行い、今後の育成方針を話し合うことが大切です。

また、参加者アンケートを実施し、研修の改善点を洗い出しましょう。フィードバックを通じて研修の質を高め、若手社員の成長につなげることが成功のポイントです。

継続的な実施と改善

フォローアップ研修は、一度きりの実施では十分な効果は望めません。若手社員の成長段階に合わせて、継続的に研修を実施することが重要です。

また、研修内容や方法は、時代の変化や組織のニーズに合わせて柔軟に見直しましょう。PDCAサイクルを回しながら、研修の質を継続的に向上させることが成功への鍵となります。

フォローアップ研修を若手社員育成の中核に位置づけ、長期的な視点で取り組むことが大切です。

フォローアップ研修にお困りですか?

フォローアップ研修は、経験の浅い若手社員や、一回限りの研修では習得しきれない内容を定着させるために有効です。

企業研修では、単発の内容に終始せず、継続的な研修体系を構築することが、人材育成を組織力に繋げるために重要になります。研修担当者には、初回研修の効果測定と課題抽出を踏まえたフォローアップ研修のカリキュラム設計が求められます。

効果的なフォローアップ研修にお困りでしたら、企業研修に実績あるヒューマンアカデミーまでお問い合わせください。

この記事を書いた人

ヒューマンアカデミー企業研修編集部

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