VUCA時代に突入し働き方の多様化が進む中で、自身のキャリアを主体的に設計する力が求められています。
そこで本記事では、キャリアデザイン研修の必要性や年代別の目的、研修で得られる効果、効果を高めるポイントについて詳しく解説します。
キャリアデザイン研修の実施を検討中のご担当者様は、ぜひご参考にしてください。
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キャリアデザインとは
キャリアデザインとは、自身のキャリアを主体的に考え、設計していくことを指します。自分の強みや価値観、ライフスタイルを見つめ直し、将来のキャリアプランを描くことが重要です。社会や企業環境の変化に適応しながら、自身のキャリアを積極的にデザインしていく姿勢が求められています。
キャリアデザイン研修とは
キャリアデザイン研修とは、従業員が自身のキャリアを主体的に考え、設計するためのスキルを習得する研修のことです。自己分析や目標設定、アクションプランの作成などを通じて、キャリアデザイン能力を高めることを目的としています。
企業が従業員のキャリア形成を支援し、組織の活性化を図る取り組みの一環として実施されます。
キャリアデザイン研修の必要性が高まっている3つの理由
近年、キャリアデザイン研修の必要性が高まっています。
その背景には、VUCA時代の到来、働き方の多様化、人生100年時代の到来などがあります。従業員一人ひとりがキャリアを主体的に考え、変化に適応していくことが求められる時代になっているのです。
ここでは、キャリアデザイン研修の必要性が高まっている3つの理由を詳しく解説します。
VUCA時代
VUCA時代とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、先行きが不透明で予測困難な時代のことを指します。
技術革新やグローバル化の進展により、ビジネス環境が急速に変化しています。このような時代においては、従業員一人ひとりが自身のキャリアを主体的に考え、学び続ける姿勢が重要です。
▶VUCAとは?広がっている背景や時代を生き抜く組織作りのポイントを解説
働き方の多様化
近年、働き方の多様化が進んでいます。副業・兼業の解禁、フリーランスの増加、テレワークの普及など、従来の雇用形態や働き方に変化が生じています。
そのような多様な選択肢がある中で、自身のキャリアを主体的に選択し、デザインしていく力が重要です。キャリアデザイン研修を通じて、自分らしい働き方を見つけることが求められます。
人生100年時代
人生100年時代と呼ばれるように、個人のキャリアは長期化しています。「終身雇用」や「年功序列」といった従来の雇用システムが崩れつつある中、従業員一人ひとりが生涯にわたるキャリアを主体的に設計していく必要があります。
キャリアデザイン研修を通じて、長期的な視点でキャリアプランを描く力を身につけることが重要です。
【年代別】キャリアデザイン研修の目的
キャリアデザイン研修の目的は、年代によって異なります。それぞれの年代に応じた研修を実施することで、効果的にキャリア形成を支援できるでしょう。
ここでは、20代から50代までの年代別のキャリアデザイン研修の目的について解説します。
20代|自己理解を深めキャリアビジョンを明確にする
20代のキャリアデザイン研修では、自己理解を深め、キャリアビジョンを明確にすることが主な目的となります。自分の強みや価値観、適性を見極め、将来のキャリアの方向性を定めることが重要です。
また、社会人としての基礎力を身につけ、組織での役割を認識することも必要です。コミュニケーション能力やビジネススキルの向上、チームワークの重要性の理解など、幅広い内容を学ぶことで、キャリアの土台を築くことができるでしょう。
30代|専門性を高めキャリアアップを図る
30代のキャリアデザイン研修では、専門性を高め、キャリアアップを図ることが主な目的となります。自身の強みを活かせる分野で専門性を磨き、組織の中核人材として活躍することが求められます。
また、ワークライフバランスを考慮しながら、キャリアプランを再設計することも大切です。リーダーシップスキルやマネジメント能力の向上、業務の効率化やイノベーションの推進など、より戦略的な視点でキャリアを考える内容が盛り込むと良いでしょう。
40代|マネジメント能力を高め組織をリードする立場としての自覚を持つ
40代のキャリアデザイン研修では、マネジメント能力を高め、組織をリードする立場としての自覚を持つことが主な目的です。部下の育成やチームマネジメントのスキルを身につけ、組織の成長に貢献することが求められます。
また、自身のキャリアの棚卸しを行い、次のステップに向けた準備をすることも重要です。組織の戦略立案や意思決定への参画、後進の指導や育成、社内外のネットワーク構築など、より広い視野でキャリアを捉える内容を含めると良いでしょう。
50代|キャリアを振り返り経験や知見を活かせる領域を見つける
50代のキャリアデザイン研修では、これまでのキャリアを振り返り、経験や知見を活かせる領域を見つけることが主な目的です。社内の後進育成や社外での活動など、新たな役割を見出すことが求められます。
また、セカンドキャリアを見据えて、長期的なキャリアプランを描くことも大切です。これまでのキャリアで培ったスキルや知識を活かし、社会貢献や社外活動に取り組むことで、新たな価値創造に挑戦することが期待されます。
人生100年時代を見据えた、長期的な視点でのキャリアデザインが重要なテーマとなるでしょう。
キャリアデザイン研修で得られる効果
キャリアデザイン研修を導入することで、従業員の主体性やモチベーション、定着率、生産性の向上などが期待できます。自身のキャリアを見つめ直し、目標を明確にすることで、仕事に対する意欲や姿勢が高まるでしょう。
ここでは、キャリアデザイン研修で得られる4つの効果について解説します。
従業員の主体性向上
キャリアデザイン研修を通じて、従業員は自身のキャリアを主体的に考えられるようになります。受け身の姿勢から脱却し、自ら考え、行動することの重要性を認識できるでしょう。
その結果、仕事に対する意欲や責任感が高まり、自発的に課題解決に取り組む姿勢が身につきます。主体性のある働き方ができるようになることで、組織の活力向上が期待できるのです。
従業員のモチベーション向上
自身のキャリアビジョンを明確にすることで、従業員のモチベーションが向上します。将来のキャリアの方向性を定めることで、目標達成に向けての意欲が高まるでしょう。仕事への取り組み姿勢が積極的になり、自己成長につながる行動を自発的に行えるようになります。
キャリアデザイン研修は従業員の内発的動機づけを引き出し、モチベーションアップに効果的な施策といえます。
従業員の定着率向上
キャリアデザイン研修を通じて、従業員は自社で長期的にキャリアを築く意識が高まります。自身の成長やキャリアアップが実現できる環境が整っていると認識することで、企業への帰属意識が向上するでしょう。
長期的な視点でキャリア形成を考えられるようになることで、定着率の向上につながります。そのため、優秀な人材の確保・育成に役立ち、組織の安定的な発展が期待できます。
従業員の生産性向上
主体性やモチベーションが高まることで、従業員の生産性が向上します。自発的に業務に取り組み、スキルアップを図ることで、高い成果を生み出せるようになるでしょう。
効率的な働き方を追求しチームワークを発揮することで、生産性の高い組織づくりが可能になります。キャリアデザイン研修は、従業員の能力を最大限に引き出し、組織の生産性向上に寄与する取り組みといえます。
キャリアデザイン研修の効果を高めるポイント
キャリアデザイン研修の効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。従業員目線でのカリキュラム設計、キャリアデザインブックの作成、サポート体制の充実などが挙げられます。
ここでは、キャリアデザイン研修の効果を高める5つのポイントについて解説します。
従業員目線でカリキュラム研修を実施する
従業員のニーズや課題に合わせて、カリキュラムを設計することが重要です。
一方的な知識の提供ではなく、参加者が主体的に学べる内容にすることが求められます。グループワークやディスカッションを取り入れるなど、双方向のコミュニケーションを促進する工夫を取り入れましょう。
また、事前アンケートやヒアリングを実施し、従業員の関心や悩みを把握した上で、カリキュラムに反映させることも効果的です。主体的な学びを促進し、研修の効果を最大化するために、従業員目線でのカリキュラム設計が不可欠です。
キャリアデザインブックを作成する
研修で学んだことを実践に移すために、キャリアデザインブックを作成することがおすすめです。自身のキャリアビジョンや目標、アクションプランなどを記録し、定期的に振り返ることで、主体的なキャリア形成が可能になります。
そのため、企業としてキャリアデザインブックの作成を支援し、従業員の自律的なキャリア開発を促進することが大切です。
また、上司との面談の機会を設け、ブックの内容を共有し、フィードバックをもらうことで、より実効性の高いキャリア形成が実現できるでしょう。
サポート・アフターフォローを実施する
研修終了後も、継続的なサポートやアフターフォローを行うことが重要です。キャリアカウンセリングの機会を設けたり、フォローアップ研修を実施したりするなど、従業員の成長を長期的に支援する体制づくりが求められます。
また、研修で学んだことを実践に移す際の悩みや課題に対して、適切なアドバイスやサポートを提供することが必要です。継続的な支援により、従業員のキャリア形成を後押しし、組織の発展にもつなげることができるでしょう。
経営層・上司を巻き込んで研修を実施する
キャリアデザイン研修の効果を高めるためには、経営層や上司の理解と協力が不可欠です。そのため、研修の目的や意義を共有し、従業員のキャリア形成を支援する風土を作りましょう。
経営層や上司も研修に参加し、部下のキャリア開発をサポートする姿勢を示すことが理想です。
また、日常的な業務の中でも、上司が部下のキャリアについて話し合う機会を設けるなど、キャリア形成を支援する行動を実践することが重要です。
柔軟な人事制度を導入する
キャリアデザイン研修と連動して、柔軟な人事制度を導入することが効果的です。多様なキャリアパスを用意したり、社内公募制度を設けたりするなど、従業員のキャリア形成を支援する仕組みづくりが求められます。
また、人事評価の仕組みにキャリア開発の観点を取り入れ、従業員の成長を適切に評価・処遇することも効果的でしょう。
ヒューマンアカデミーのキャリアデザイン研修
理屈だけに頼らない体感型、具体的なケースに基づく実践型の研修です。参加者が、「仕事とは何なのか?」という本質を理解し、仕事における「やりがい」を強く感じることができるようになります。
具体的な職場で、成果をあげることへの欲求が高まります。
キャリアデザイン研修の目的
ヒューマンアカデミーのキャリアデザイン研修の目的は以下の通りです。
- 自分に足りない能力、今後、伸ばしたい能力を明確にする
- 自分の特性(キャラクターや強み・弱み)を認識させ、その個性を伸ばしながら、今後の課題を明確にする
- 当事者意識を持たせ、人材価値の高い存在を目指す意識付けを行う
キャリアデザイン研修に期待される効果
ヒューマンアカデミーのキャリアデザイン研修で期待される効果は以下の通りです。
- 「やる気」を安定させ、高い目標達成意欲を維持させる
- これまでの自分自身の働き方、働きぶりを振り返らせ、それを踏まえた上で、会社に期待される役割や行動を意識するようになる
キャリアデザイン研修のカリキュラム例
キャリアデザイン研修にお困りですか?
キャリアデザイン研修は、VUCA時代を生き抜くために欠かせない取り組みです。従業員一人ひとりが自身のキャリアを主体的に考え、デザインする力を身につけることが求められています。
企業としても、従業員のキャリア形成を支援し、組織の活性化を図ることが重要です。年代に応じた研修の実施や、効果を高めるポイントを押さえることで、キャリアデザイン研修の成果を最大限に引き出せるでしょう。
ヒューマンアカデミーでは、800以上の講座コンテンツや2,270名以上の在籍講師など、豊富なメニューによるカスタマイズ研修が可能です。研修にお困りの際は、お気軽にご相談ください。