新入社員研修は、主に学校を卒業したばかりの新社会人に対して行われます。
学生から社会人になるにあたって、大きく意識を変えなければなりません。プロとして仕事をするため、社会人の意識を身に付ける研修が「新入社員研修」です。
この記事では、研修の担当者が知っておきたい「新入社員研修」の目的を改めて整理してご紹介。研修実施のポイントから、研修内容・研修会社の選び方まで、様座な研修で実績のあるヒューマンアカデミーが解説していきます。
人事-研修担当者300名へのアンケート調査
新入社員研修の重要性が高まっている理由
毎年恒例で実施する企業も多い新入社員研修。
どの企業も新入社員研修に対して期待することは「コミュニケーション」「ビジネスマナー」「マインドセット」を挙げられることが多いです。特にここ数年、新型コロナウイルスの影響で、学生時代をリモートで過ごす時間が増えたことなどにより、周囲への意識の希薄化が強くなっている傾向があると言われています。
新入社員に対する研修の重要性が高まっている理由についてもう少し詳しく解説します。
リモートワークの環境が増えてきている
近年、オンライン教育が広がり、対面でのコミュニケーション機会が減少しています。特に新入社員は就職活動からリモートが増え、社会人としての対人スキルが身につきにくい環境にあります。そのため、入社後の新入社員研修で、挨拶や言葉遣い、上司・先輩への接し方など、基本的な対人コミュニケーション能力を身につける機会が重要視されています。企業は研修を通じて、コミュニケーション力の育成に力を入れる必要があるといえるでしょう。
マナー意識の希薄化が指摘されている
スマートフォンの普及などにより、若年層を中心にマナー意識の低下が指摘されています。就業意識調査でも、マナーに関する指摘は後を絶ちません。新入社員に対しては入社時の研修で、基本的な社会人としてのマナーやルール、職場でのエチケットなどを徹底的に教育する必要があります。
企業は新卒社員研修を通じてマナー意識の向上に力を注ぐべきです。
また、企業によっては新卒社員研修の他に、別途ビジネスマナー研修を実施することもあるようです。ビジネスマナー研修について詳しくは以下記事もご覧ください。
▶ビジネスマナー研修|社員の階層に合わせたカリキュラムを実施することが重要
企業文化の理解不足が問題視されている
人材の流動性が高まっている中、企業理念や価値観の継承が難しくなっています。
企業文化を十分に理解・体得できないまま、新入社員が業務に就いてしまうと、業務品質の低下や離職の一因にもなりかねません。そのため、入社時研修で企業の歴史、ビジョン、行動規範などを徹底的に教育し、企業文化の価値観を新入社員に体得させることが不可欠となっています。
新入社員研修を通じた企業文化の浸透が、組織への帰属意識を高める重要な機会になります。
このように、対人コミュニケーション力、マナー意識、企業文化の理解といった、社会人としての基本的な資質を身につける場として、新入社員研修の役割は、従来にも増して重要視されている背景があります。
新入社員研修の主な目的
新入社員研修は、企業が新入社員に対して行う最初の本格的な教育機会です。この研修を通じて、会社は新入社員に対して様々なことを伝え、身につけさせることを目的としています。
入社後すぐに研修を行うことで、会社への理解を深め、やる気を高め、離職を防ぐ効果も期待できます。
新入社員研修のより詳細な目的について、解説していきます。
基本的なビジネスマナーの習得
新卒入社の社員は、まだ社会人としての常識やマナーに欠けている可能性があります。
新入社員研修により、社会人としての基本的なビジネスマナー(言葉遣い、あいさつ、電話対応など)を体得させることで、即戦力となる人材を育成することが目的です。
基本的な業務知識の習得
入社直後は業務に関する知識が乏しいため、職種に応じた基礎的な業務知識やスキルを習得させることが重要な目的となります。
新入社員の就業意識の醸成
新入社員に企業の理念や方針を理解してもらうことで、意欲と帰属意識を高めて就業意識を醸成することができます。
またより細かく会社の文化やルールについて研修することで、新入社員が職場にスムーズに適応できるようになります。
横のつながりの形成
新入社員研修の副次的な効果として、同期の新入社員との人脈を構築することができます。同期入社の仲間とのコミュニケーションを通して、帰属意識や心理的安全性を高めることに繋がります。
モチベーション向上と定着率の向上
企業への理解を深め、やる気を高めることで、離職を防ぎ中長期的な活躍が期待できます。
体系的な研修により新入社員の不安を軽減することが可能で、研修期間が一定長いほど、離職の抑制に有意差がみられるとの*調査結果も出ているようです。
新入社員研修で実施される内容について
ヒューマンアカデミーが人事・研修担当者300名に行ったアンケート調査結果では、新入社員に対して行われる研修は「まんべんなく」実施されていることがわかりました。社会人経験のない新入社員には、ビジネスコミュニケーションからパソコンなどの使い方など、幅広い知識を企業研修でインプットする傾向があるようです。
新入社員が対象となった割合の多い研修内容
アンケート調査より一部抜粋
- コミュニケーション研修:82%
- パソコンOAスキル研修:81%
- 書き方の研修:76%
- メンタルヘルス・レジリエンス研修:73%
- 伝え方の研修:72%
- コンプラ・ハラスメント研修:72%
▶資料の完全版はこちらからダウンロードいただけます。新入社員に実施する企業研修テーマ選定の参考にお役立てください。
新入社員が対象となった割合でトップになったコミュニケーション研修も、新人社員に対して実施する研修としては非常に重要です。
コミュニケーション研修について、詳しく解説した記事がありますので、合わせてご覧ください。
▶コミュニケーション研修|業務効率改善や生産性向上につながるコミュニケーション研修のポイントを解説
新入社員の成長・活躍を実現できる研修のポイント
自己効力感を高めることの重要性
新入社員には職場や働くことに対する不安や戸惑いがあるため、自己効力感を高めることが重要です。新入社員研修では小さな成功体験を積み重ねる機会を提供し、自己肯定感を醸成していきましょう。
課題達成のための具体的なステップを提示し、新入社員の方々が「やればできる」という手応えを実感できる研修を目指しましょう。
新入社員の評価を客観的に測れる仕組み
新入社員研修後の新入社員の成長度を測定するために、知識理解度テストやスキルチェックシートなどを活用しましょう。
自己評価だけでなく、上司・先輩社員による評価も取り入れることで、多面的な評価が可能です。評価結果をフィードバックすることで、新入社員の更なる成長に役立てることができます。
新入社員の得意な領域を把握し配置していく
新入社員には個性や能力に個人差があるため、研修中に得意分野や適正を見極め、後の配置・職務に活かしていきましょう。
アセスメント結果を人事部と共有することで、新入社員の長所を正しく評価し、適材適所の人材活用につなげることができます。
効果的な企業研修をご案内新入社員研修を成功させるポイント
新入社員研修の成功の定義は、参加者の満足度や理解度によって定量的に測られることが多いです。新卒研修を担当することになった場合、以下のポイントを意識していきましょう。
社員の興味を引く内容
新入社員研修の内容は適度な緊張感を持って、かつ前向きに楽しめる内容にすることで新入社員はモチベーション高く研修に臨むことができます。
また、内容は抽象的でなく、具体的な業務に関連づけて実践的に設計することで、理解に繋がりやすくなります。
参加型の演習やグループワーク
講義形式だけでなく、新入社員が能動的に参加する機会を取り入れることが効果的です。
より主体的に研修に臨むことが出来る他、アウトプットをすることでより理解が定着しやすくなります。
先輩社員との交流の場
先輩社員と対話する機会を設けることで、会社の文化を学びやすくなります。
このような機会に、新入社員が不安に感じていることなどを先輩社員に相談してもらい、不安の払拭を図るのも効果的です。
新入社員研修後の理解度チェック
新入社員研修の内容定着を確認するため、理解度チェックを実施することをおすすめします。
全体の理解度に応じて、次回の研修内容を改善するなどPDCAを回すことで、研修が成功する可能性を高めることができるでしょう。
研修期間中の目標設定
新入社員研修の初日・最終日に、研修目標の確認・達成度確認を行うと効果的です。
新入社員のモチベーションに繋がる他、達成度の状況から研修内容の改善に繋げることもできます。
フィードバックの収集と改善
新入社員研修受講後のアンケートによりフィードバックを得て、改善に繋げることが大切です。
また、研修によって、一人ひとりの変化をエビデンスに基づいてデータで可視化することによって、成長をより促進することも可能です。
下記の記事では、実際に1年間伴走型研修で受講者の変化をデータ化した事例をまとめておりますので、ぜひ併せて読んでみてください。
新入社員研修を実施する方法
新入社員研修の実施方法は、大きく2種類、自社で行う方法と外部の研修会社に委託する方法があります。それぞれのメリットを解説します。
自社内で実施するメリット
- 自社の文化や特徴を反映した研修ができる
- 自社の人材育成方針に沿った研修が可能
- 自社の上司・先輩社員が研修に参加しやすい
- 研修費用を抑えられる可能性がある
外部研修会社に委託するメリット
- プログラム開発のノウハウを活用できる
- 他社との交流による刺激が期待できる
- 自社の固定観念にとらわれない研修が受けられる
- 専任の講師による質の高い研修が受けられる
研修の実施については、自社の状況を考慮して判断する必要があります。自社のみで完結できる一定の水準を確保できるのであれば、自社内研修を活用することをおすすめします。
一方、専門性の高い外部資源を必要とする場合は、外部研修会社の活用も検討していきましょう。
オンラインで新入社員研修を取り入れる場合
オンラインで新入社員研修を取り入れる場合、最大のメリットは場所や時間の制約がなくなることです。
遠方の拠点からでも参加が可能になり、社員の移動コストを大幅に削減できます。また、スケジューリングの自由度が高まり、柔軟な研修日程の設定が可能になります。さらに、対面式の研修と比べ、会場コストや講師の交通費などのコストを抑えられるというメリットもあります。一度制作したeラーニングコンテンツであれば、何度でも活用可能です。
その一方で、オンライン研修には課題も存在します。対面に比べ、受講者の集中力が持続しづらいことが懸念されます。わかりやすいコンテンツ作りと、適度な休憩設定が不可欠になってきます。また、オンラインでは同期生との人間関係の構築が難しく、コミュニケーション不足を招く可能性があります。同期生同士のつながりを持たせる工夫が求められます。
さらに、安定したネットワーク環境の確保や、コンテンツの情報漏えい対策など、システム面での課題にも目を向ける必要があります。加えて、知識の定着を図るため、受講者に発言を促したり、アウトプット課題を出すなどの工夫が欠かせません。
新入社員研修のカリキュラム例
ヒューマンアカデミーで実施する新入社員研修の一例として、ビジネスマナー研修をご紹介します。
ビジネスマナー研修「半日/3時間コース」
ビジネスマナー研修「1日/6時間コース」
ビジネスマナー研修「2日/12時間コース」
【1日目 】
【2日目】
このカリキュラムは一例です。
他にも様々な研修をご用意しており、貴社の目的やニーズに応じてカスタマイズしてご提案させていただきます。
新入社員研修でお困りですか?
効果的な新入社員研修を実施したけれど、「ノウハウが不足している」「リソースがない」などのお困りがあれば、ぜひヒューマンアカデミーにお問い合わせください。ヒューマンアカデミーの新入社員研修では、アウトプットの量を多くすることで、即実践に繋がる研修をご提供しています。
研修の内容も画一的なものではなく、貴社のご希望や課題感に合わせたカスタマイズをして提供することも可能です。
内容はもちろん、講師の手配、動画を含めた教材の品質、実施場所などほぼ全ての研修でカスタマイズをいたします。
ぜひ一度お問い合わせください。