新入社員研修・新人研修の目的・内容は?成長・活躍を実現する実施ポイントも解説

新入社員研修は、学生から社会人への移行をスムーズにし、早期に戦力となる人材を育成するための重要なプロセスです。しかし、以下のような悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。

・コロナ禍でリモートワークが主流となり、新入社員の帰属意識の醸成が難しくなった。
・デジタル化の進展に伴い、DXやITスキルの習得が必須となったが、どのように教育すべきか分からない。
・研修の効果を最大化するためのポイントが掴めていない。

結論から言うと、明確な目標設定とPDCAサイクルの確立、参加型学習の導入、自己効力感を高める成功体験の設計など、効果的な研修の設計と実施方法があります。

本記事では、新入社員研修の重要性が高まっている背景や、研修の目的とポイントを詳しく解説します。自社内で実施するメリットと、外部研修会社を活用するメリットについても触れているので、自社の状況に合わせた研修の実施方法を検討中のご担当者の方はぜひ参考にしてください。

人事-研修担当者300名へのアンケート調査

【2024年度最新版】企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、各企業では、どのような研修を実施しているのか。人事・研修担当者の関心が高い社員研修の実施状況を可視化!社員研修を見直すきっかけになる結果となっていますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。

新入社員研修を実施する背景と重要性

新入社員研修は企業が新たに迎え入れた人材を戦力として育成するための重要なプロセスです。社会環境や働き方の変化に伴い、その内容や方法も進化し続けています。特に近年は価値観の多様化やテクノロジーの急速な発展により、新入社員に求められるスキルも大きく変わっています。

ここでは新入社員研修の背景となる社会的変化と、企業競争力の観点から見た研修の重要性について解説します。

社会的変化がもたらす研修の必要性

働き方の多様化に伴い、新入社員研修の重要性はますます高まっています。特にリモートワークの普及により対面でのコミュニケーション機会が減少する中、組織への帰属意識を育むことが難しくなっています。オンライン上での円滑な意思疎通やチームワークの構築は新たな課題となっているのです。

また若手世代の価値観の変化も研修内容に影響を与えています。近年、ワークライフバランスを重視し、自己成長や社会貢献に関心を持つ新入社員が増加しています。

こうした背景から、単なる業務知識の伝達だけでなく、リモート環境下でも円滑に仕事を進められる能力の育成が求められています。

企業競争力を高める人材育成の重要性

効果的な新入社員研修は、企業の持続的成長に直結する重要な投資です。適切な研修プログラムは新入社員の早期戦力化を促進し、組織全体の生産性向上に貢献します。

また充実した研修は入社後のギャップを埋め、離職率の低減にも効果を発揮するでしょう。特に入社後3年以内の早期離職は企業にとって大きな損失となります。新入社員一人あたりの採用・育成コストは数百万円とも言われており、研修の質が人材定着に与える影響は軽視できません。

さらに適切な研修は企業文化の継承にも役立ちます。組織の価値観や行動規範を体系的に伝えることで、一体感のある強い組織作りが可能になるでしょう。

新入社員研修の目的とDX・ITスキルの必要性

新入社員研修では単に業務知識を習得させるだけでなく、社会人としての基礎力を育み、企業理念を浸透させることで組織への帰属意識を高めることが求められます。また近年のデジタル化の波を受け、DXやITスキルの習得も必須となっています。

ここでは新入社員研修の主要な目的と、特に重要性を増しているDX・ITスキル教育について詳しく解説します。

社会人基礎力の育成

新入社員研修の基本的な目的は、学生から社会人への円滑な移行を支援することです。ビジネスマナーや言葉遣い、報連相の基本など、社会人として必要な基礎知識を身につけることが重要です。

また職場でのコミュニケーション能力や時間管理能力も社会人基礎力の重要な要素といえるでしょう。これらのスキルは業種や職種を問わず、あらゆるビジネスパーソンに求められる普遍的な能力です。特に第一印象を大きく左右する挨拶や身だしなみ、電話応対などの基本マナーは、新入社員研修で重点的に扱われます。

これらの基礎力は一朝一夕で身につくものではないため、実践を通じた反復学習が効果的です。

企業理念の浸透と早期戦力化

新入社員研修では、企業の理念や行動指針を深く理解させることも重要な目的です。会社の歴史や創業者の想い、ビジョンなどを学ぶことで組織への帰属意識が高まります。企業文化を理解することは業務の優先順位や判断基準を身につけることにもつながるでしょう。

また業界知識や自社製品・サービスの特徴を学ぶことで、早期に実務で活躍できる基盤を作ります。

さらに社内システムや業務フローの理解も早期戦力化には欠かせません。組織図や決裁権限、社内の暗黙のルールなどを知ることで、スムーズに業務に取り組めるようになるでしょう。

企業理念の浸透は長期的な定着率向上にも効果を期待できます。

DX・ITスキルへの対応

デジタル技術が急速に発展する現代において、DXやITスキルは新入社員に不可欠な能力となっています。

基本的なパソコン操作やビジネスソフトの活用法に加え、データ分析やオンラインツールの活用方法なども研修に含まれるようになりました。特にコロナ禍以降、リモートワークに対応するためのツール活用能力は必須です。

またデジタルリテラシーやセキュリティ意識も重要なテーマとなっています。情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを理解し、適切な対応ができる人材が求められているのです。

これらのスキルは業務効率化だけでなく、新たな価値創造にもつながる重要な能力といえるでしょう。

DXとは?概要から企業DXを推進するポイントを網羅的に解説

新入社員研修で実施される内容について

ヒューマンアカデミーが人事・研修担当者300名に行ったアンケート調査結果では、新入社員に対して行われる研修は「まんべんなく」実施されていることがわかりました。社会人経験のない新入社員には、ビジネスコミュニケーションからパソコンなどの使い方など、幅広い知識を企業研修でインプットする傾向があるようです。

新入社員が対象となった割合の多い研修内容

※アンケート調査より一部抜粋

  • コミュニケーション研修:82%
  • パソコンOAスキル研修:81%
  • 書き方の研修:76%
  • メンタルヘルス・レジリエンス研修:73%
  • 伝え方の研修:72%
  • コンプラ・ハラスメント研修:72%

資料の完全版はこちらからダウンロードいただけます。新入社員に実施する企業研修テーマ選定の参考にお役立てください。

新入社員が対象となった割合でトップになったコミュニケーション研修も、新人社員に対して実施する研修としては非常に重要です。
コミュニケーション研修について、詳しく解説した記事がありますので、合わせてご覧ください。

▶コミュニケーション研修|業務効率改善や生産性向上につながるコミュニケーション研修のポイントを解説

新入社員の成長・活躍を実現する研修のポイント

新入社員研修は単なる知識伝達の場ではなく、新入社員の成長基盤を構築し、早期戦力化を促す重要なプロセスです。成功する研修プログラムには共通する特徴があります。

ここでは新入社員が自信を持って職場で活躍するために必要な研修のポイントを解説します。効果的な研修設計と実施方法を理解することで、離職率の低減と組織力の向上につなげることができるでしょう。

目標設定とPDCAサイクルの確立

効果的な研修の基盤となるのは、明確な目標設定とその達成プロセスの管理です。研修開始時に具体的で測定可能な目標を設定し、最終日には達成度を振り返ることで学びを定着させましょう。目標設定は研修担当者だけでなく受講者自身も行うことで、主体的な学習意欲を引き出せます。

また研修受講者からのフィードバックを積極的に収集し、次回の研修改善に活かすPDCAサイクルを確立することが重要です。受講者の理解度や満足度を定期的に測定し、内容や進行方法を継続的に改善します。

研修は完成形ではなく、常に進化させていくという姿勢が研修の質を高め続け、組織の人材育成基盤を強化するでしょう。

参加型学習と実践的演習の導入

目標が設定できたら、その達成に向けた効果的な学習方法を取り入れましょう。一方的な講義形式だけでなく、グループワークやロールプレイング、ディスカッションなどの参加型学習を積極的に導入します。

受講者が能動的に参加できる環境を作ることで、学習効果が大幅に高まります。実践的な演習は理論の理解を深め、知識の定着を促進するでしょう。実際の業務に関連づけた内容にすることで、研修の意義を実感しやすくなります。

また、参加型学習は受講者同士の交流も促進します。適度な緊張感と楽しさのバランスを取ることで、モチベーション高く研修に臨める環境を構築できるでしょう。

自己効力感を高める成功体験の設計

参加型学習の中でも特に重要なのが、自己効力感を高める成功体験の設計です。多くの新入社員は職場や仕事に対する不安を抱えているため、「自分にはできる」という自信を育む必要があります。

研修では適切な難易度の課題を設定し、小さな成功体験を段階的に積み重ねる機会を提供しましょう。具体的なステップを明示し、達成のための支援を行うことで成功確率を高めます。

目標達成時には適切な承認とフィードバックを行い、自己肯定感を強化することが効果的です。成功体験は単に簡単な課題をクリアすることではなく、適度な挑戦を乗り越えた実感が重要です。

客観的評価とフィードバックの仕組み

成功体験を効果的なものにするためには、適切な評価とフィードバックの仕組みが不可欠です。研修の理解度を測定するためのテストやチェックシートを活用し、客観的な評価基準を設けることが重要です。自己評価だけでなく、上司や先輩社員からの多面的評価を組み合わせることで、より正確な成長度合いを把握できるでしょう。

評価結果は新入社員にタイムリーにフィードバックし、強みを伸ばし弱みを改善する具体的な方向性を示します。

また評価データを蓄積することで、個々の適性や得意分野を見極め、適材適所の配置にも活用できます。評価は単なる点数付けではなく、今後の成長につながる建設的で具体的なものであることが重要です。

先輩社員との交流機会の創出

研修で学んだことを実務につなげるためには、先輩社員との交流機会が重要な役割を果たします。先輩社員の経験談や仕事への姿勢に触れることで、具体的なロールモデルを見つけ、実務のイメージを具体化できます。

メンター制度やランチ会、座談会などの形式で定期的な交流の場を設けることが効果的でしょう。この機会に新入社員は日頃の疑問や不安を相談でき、先輩社員からは公式研修では伝えきれない「暗黙知」を学ぶことができます。

また交流を通じて社内ネットワークが広がり、入社後の業務にも良い影響を与えるでしょう。先輩社員側も教えることで自身の知識を再確認でき、組織全体の知識共有文化の醸成にもつながります。

効果的な企業研修をご案内

新入社員研修を実施する方法

新入社員研修の実施方法は、大きく2種類、自社内で行う方法と外部の研修会社に委託する方法があります。

それぞれのメリットを解説します。

自社内で実施するメリット

自社内で研修を実施する最大のメリットは、企業文化や業務内容に合わせたカスタマイズが可能な点です。自社の実情に即した具体的な事例やケーススタディを取り入れることができます。

また社内講師を起用することで、実務に直結した知識やノウハウを伝えられるでしょう。長期的に見れば研修コストの削減にもつながります。

さらに研修を通じて新入社員と先輩社員の交流が生まれ、組織の一体感が高まる効果もあります。研修実施のノウハウが社内に蓄積され年々改善していくことで、より効果的な研修が実現できるでしょう。

外部研修会社を活用するメリット

外部研修会社を活用する最大のメリットは、専門的なノウハウと豊富な経験を取り入れられることです。研修のプロフェッショナルによる質の高いプログラムで効果的な学習が期待できます。

また最新の研修手法やトレンドを取り入れやすく、時代に合った研修を実施できるでしょう。自社にない客観的な視点からのフィードバックも得られます。第三者の目で見ることで、社内では気づかない課題や改善点が明らかになることもあります。

さらに自社の人的リソースを節約できるメリットも大きいでしょう。企画や運営に多くの工数をかけずに研修を実施できます。

新入社員研修のカリキュラム例

ヒューマンアカデミーで実施する新入社員研修の一例として、ビジネスマナー研修をご紹介します。

ビジネスマナー研修「半日/3時間コース」

ビジネスマナー研修「1日/6時間コース」

ビジネスマナー研修「2日/12時間コース」

【1日目】

【2日目】

このカリキュラムは一例です。他にも様々な研修をご用意しており、貴社の目的やニーズに応じてカスタマイズしてご提案させていただきます。

新入社員研修でお困りですか?

効果的な新入社員研修を実施したけれど、「ノウハウが不足している」「リソースがない」などのお困りがあれば、ぜひヒューマンアカデミーにお問い合わせください。ヒューマンアカデミーの新入社員研修では、アウトプットの量を多くすることで、即実践に繋がる研修をご提供しています。

研修の内容も画一的なものではなく、貴社のご希望や課題感に合わせたカスタマイズをして提供することも可能です。内容はもちろん、講師の手配、動画を含めた教材の品質、実施場所などほぼ全ての研修でカスタマイズをいたします。

ぜひ一度お問い合わせください。

この記事を書いた人

研修メディア監修者・廣瀬哲人

当メディアの監修者:廣瀬哲人
株式会社ENロジカルの代表取締役として、企業研修・Eラーニングの開発や提供を行っています。京都大学在学中に、脳科学についての研究を行っており、現在ではAI(人工知能)技術のビジネス活用など、デジタル技術に精通した専門家として、ChatGPTなど生成AIの活用やDX人材の育成に関する企業研修・セミナー・講演講師を務めております。
株式会社ENロジカルとは

研修でお困りならお気軽にご相談ください

研修でお困りや課題があれば、研修のプロフェッショナルであるヒューマンアカデミーまでご相談ください。
貴社の目的・ご要望に合わせて、研修カリキュラム・講師手配など最適なプランをご提案いたします。