導入事例

1年間伴走型研修で受講者の変化をデータで可視化。 新入社員の成長と定着を促進する

株式会社イチネンホールディングス様  2024.07.09
研修の対象 新入社員   研修 新入社員研修、フォローアップ研修

中長期的なグループの企業価値の増大を目的に、積極的に人材育成に取り組んでいる株式会社イチネンホールディングス様。中でもグループ全体の新入社員を対象に合同で実施する新入社員研修は、一人ひとりの個性や適性を把握し成長を促す意味で、力を入れているといいます。今回は同社の人事部 人事教育課の田中克哉様、藤谷尚吾様からお話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)

目的 ・社会人として必要なマナーを身につけるとともに、グループの一員である意識を育む
・継続的な研修を通して成長を促し、離職を防ぐオンボーディングの土台とする
内容 ・入社直後にグループ全体の新入社員を対象に、ビジネスマナーと社会人としてのマインドセットに関する研修を2日間実施
・新入社員一人ひとりの性格や行動パターンを性格診断法エゴグラムで数値化し、6ヶ月後のフォローアップ研修で数値の変化に応じたアドバイスを行う
効果 ・新入社員が配属前にグループの文化を受け入れ、大きな違和感を抱かずに着任できた
・研修の実施から4年目を迎え、よりグループにマッチした内容にブラッシュアップできている

導入に至った経緯

自社向けにカスタマイズしてくれる点を評価

新入社員研修をお願いするきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大でした。それまで依頼していた研修会社からは、「従来の対面形式での研修は実施することが難しい」と連絡をもらったのです。急いで対応方法を模索する中で、ヒューマンアカデミーから感染対策をとったうえでの要望をお伝えし、十分に対応いただけました。また、 イチネングループはM&Aによる事業会社数の拡大を続けており、従業員数も年々増加を重ねています。こうしたグループ独自の特性や課題を理解した上で、近年の新卒世代のトレンドをふまえた内容へとカスタマイズした提案もしてくださいました。緊急事態宣言が出る前後のあわただしいタイミングでしたが、出来合いのテキストを配るだけにとどまらない新入社員研修を実施することができました。

1.png

研修前に抱えていた課題

新人教育の重要性が年々高まっている

ここ数年、採用活動は学生優位のトレンドが続いています。各企業が自社で働くイメージを学生にもってもらい、学生確保のために積極的な情報発信を増やしています。そのため、学生側は入社した時点では、仕事に対しても受け身のスタンスであるケースもあります。また、〈自己理解ができていると思う学生は約6割にとどまる〉というデータがあるように、自分の性格や傾向を理解できていないまま現場で働き出すと、周りとのミスマッチから早期退職という結果を招いてしまうこともありえます。
こうしたことから、新入社員研修を通して意識の切り替えを促す重要性が、年々高まっていると感じています。社会人としての常識やマナーを学び、イチネングループの一員としての自覚を育むことが、私たちのグループで長く働き、将来的にグループの成長を担う人材として活躍することにつながる、そう考えています。

2.png

研修の主な内容

研修による一人ひとりの変化をエビデンスに基づいて把握できた

具体的には、入社直後にグループ全体の新入社員研修を1週間程度行うのですが、そのうちの2日間をヒューマンアカデミーの講師に担当してもらっています。テーマはビジネスマナーの習得とマインドセットの育成で、特にマインドセットの部分についてはイチネングループが重要視していることをヒューマンアカデミーの講師が理解して、外部の視点から客観的に新入社員に伝えてもらうことに効果があると考えています。例えば、グループ社員に当たり前のように浸透している“あいさつの文化”は、入社して間もない1年目の社員にとっては違和感があるかもしれません。しかし、私たちのグループが大切にしている価値を、第三者の言葉で説明してもらうことで、押し付けではなく納得感をもって文化を受け入れることにもつながっていると思います。
この2日間の研修では、新入社員が自らワークに取り組み、一人ひとりの性格や行動パターンを〈エゴグラム〉で数値化します。「価値観」「優しさ」「冷静さ」「遊び」「我慢強さ」の5項目について新入社員が自己理解を深め、私たちも数値をもとに一人ひとりの性格や傾向をつかむことができます。

03.png

2024年度は約40人の新入社員が研修を受けました。しかし、この4月の研修は受けて終わりではなく、半年後の変化を可視化することを重視しています。5ヶ月後に、すべての新入社員を対象にアンケートと面談を実施。そしてその1ヶ月後のフォローアップ研修で数値の変化を確認することで、成長やつまずきを把握します。 私たちはグループ全体の採用・教育担当ですので、グループ各社に分かれて働く新入社員たちの、日常の変化や成長をつぶさに見ることは難しい部分があります。だからこそ、個人ごとに数値化したデータの変化を、フォローアップ研修で確認できる点には、手ごたえと安心感があります。
採用から接してきた新入社員たちの半年間の変化を見ると、「やはりそうなんだ」という場合もあれば、「意外にそうじゃないんだ」と感じることもあります。特に「我慢強さ(レジリエンス)」については、仕事がうまくいかない時に、周りに責任を転嫁することなく、また自責の思いに潰れてしまうこともなく、逆境から立ち上がる能力でもあるため、新入社員における離職防止のバロメーターとして注目をしました。研修内でもレジリエンスについて取り扱う時間を増やして、カスタマイズしてもらいました。エゴグラムの結果においても、入社時点には自分本位の傾向があった新入社員が、半年間の実務経験の後、協調性の傾向が高くなったということはあります。新入社員一人ひとりを個別にエビデンスベースで把握し、どの部分を強化すればいいかを、現場と本人が意識して業務に取り組んだ結果かもしれません。

研修に対する満足度と今後の取り組み

研修の価値をさらに高めていきたい

私たちのグループは、新入社員研修から始まる階層別研修を通して、能力とキャリアを開発する機会を継続的に提供しています。こうした教育には、グループ各社をリードする次世代の経営者を育成するという中長期的な目的があり、そのためにも「鉄を熱いうちに打つ」新入社員研修は非常に重要だと考えています。
ヒューマンアカデミーに重要な部分をお任せするようになって5年目を迎えましたが、回を重ねるごとに私たちグループに対する理解を深めてくれることで、研修内容を年々ブラッシュアップできています。また前年度の研修で見えた改善ポイントを、今年のカリキュラムに組み込める点も評価しています。
新入社員研修を行う上で、研修で学んだ知識やスタンスと、現場で実践する内容にズレがあるようでは困ります。入社して間もない新入社員が実際の仕事に前向きに、臆さず取り組んでいけるように、最初のギャップを埋める研修をアップデートし続けることが必要だと感じます。ヒューマンアカデミーがもつ新卒世代のトレンドに対する知見の上に、私たち担当者が各事業会社から吸い上げる個々人のデータを合わせることで、今後も新入社員研修の価値を高めていきたいと思います。

3.png

ichinen_logo.jpg
企業名 株式会社イチネンホールディングス
公式サイト https://www.ichinenhd.co.jp/
事業内容 自動車リース関連事業、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業、農業関連事業