研修メディア監修者・廣瀬哲人 新入社員からベテランまで、全ての社員に必要な「ビジネスマナー」は企業のブランド力と信頼関係を左右する重要要素です。しかし研修をどう体系的に実施し定着させるか悩む担当者も多いでしょう。
本記事では研修の概要や効果、具体的プログラム、効果的な実施方法を解説します。適切なマナー教育により社員の意識が変わり、組織全体の信頼性と業績向上につながります。
これから研修計画を立てる担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
企業研修ならヒューマンアカデミー
ビジネスマナー研修とは？
ビジネスマナー研修は、社会人として必要な振る舞いや言葉遣いを体系的に学ぶためのプログラムです。単なるルール習得ではなく、組織全体の品格と対外的な信頼構築に関わる重要な取り組みといえます。
ビジネスマナー研修を実施することで、新入社員だけでなく中堅社員や管理職も含めた全社員が共通認識を持ち、社内外での円滑なコミュニケーション基盤を築けるでしょう。
ビジネスマナー研修の概要と重要性
ビジネスマナー研修とは、社会人として必要な振る舞いを学ぶ体系的なプログラムです。新入社員向けのイメージが強いですが、中堅社員や管理職にも大切な機会となります。社会情勢やツールの変化に伴い、マナーは常に更新されるものだからです。全社員が共通認識を持つことで、組織基盤が強化されていきます。
挨拶や敬語の正しい使い方は、良好な第一印象と円滑なコミュニケーションに直結します。対外的には企業の品格を表し、社内では業務効率を高める要素になるでしょう。
ビジネスマナー研修が求められる理由
若手社員の価値観の多様化により、基本的な社会人マナーを改めて学ぶ必要性が高まっています。
また、オンラインコミュニケーションの普及で、メールやチャットでの表現力が重視されるようになりました。リモートワークの一般化により、オンライン会議特有のマナーも求められるようになっています。
企業が環境変化に対応し社員のスキル向上を図るには、実践的なマナー研修が欠かせません。社内ルールや企業文化を全社員で共有することで、不適切な対応リスクを減らせます。
マナー欠如はクレームやトラブルの原因となり、企業イメージ低下を招くことがあります。このため研修は全社員対象の重要プログラムとなっているのです。
ビジネスマナー研修の目的と得られる効果
ビジネスマナー研修は単なる形式的な規則の暗記ではなく、社員一人ひとりの意識改革と行動変容を促します。適切なマナーの実践は個人の成長を支えるとともに、組織全体の価値向上にもつながる重要な要素です。研修によって社員は「なぜそのマナーが必要か」を理解し、自律的に行動できるようになります。
ここでは研修の主な目的と期待される効果について見ていきましょう。
社会人基礎力の定着と意識づけ
第一の目的は、社会人として必要な基本スキルを身につけることです。特に新入社員は初めての職場環境で振る舞い方に迷うことが多いものです。挨拶や敬語の使い方、電話応対などの基本を学び実践することで、社会人としての自信が育まれます。
こうした自信は業務への積極的な取り組みを促し、早期戦力化につながるでしょう。前向きな姿勢が職場全体の雰囲気を良くし、活発なコミュニケーションを生み出します。基礎力が定着すれば応用も利くため、様々な状況に対応できる柔軟性も身についていきます。
顧客・取引先との信頼関係構築
第二に、外部との円滑な関係構築を促進する効果があります。身だしなみや言葉遣いがしっかりしている社員は、顧客や取引先に好印象を与えられます。逆にマナーが欠如していると、商談の失敗やクレームにつながる可能性が高まります。
正しいマナーは社員が自信を持って対外活動する支えとなるものです。「相手を尊重する姿勢」を身につけることで、営業機会損失を防げるでしょう。一瞬の印象が長期的な信頼関係の土台となることは、ビジネスにおいて非常に重要な要素です。
組織全体のブランド向上
最後に、社員の振る舞いが企業ブランド力に直結する点を強調しておきたいと思います。どんなに優れた商品やサービスがあっても、社員のマナーが悪ければ企業評価は下がってしまいます。
全社的なマナー意識向上により、統一感のある顧客対応が実現できます。その結果「教育がしっかりした会社」という評価につながるでしょう。ブランド向上は採用活動や新規顧客開拓にも好影響を与え、長期的な投資効果が期待できます。
ビジネスマナー研修の内容・プログラム例
効果的なビジネスマナー研修を実施するには、具体的にどのような内容を盛り込むべきでしょうか。業種や企業文化によって重視するポイントは異なりますが、基本となる要素は共通しています。
ここでは研修担当者が押さえておきたい代表的なプログラムを紹介します。各項目を通じて社員の対人スキルと企業イメージの向上を図りましょう。
挨拶・身だしなみなど基本マナー
ビジネスマナーの土台となるのが挨拶と身だしなみです。挨拶は第一印象を大きく左右する要素で、職場での軽い挨拶から商談時の丁寧なお辞儀まで場面に応じた実践方法を学びます。名刺交換も重要なスキルであり、受け渡し方や保管方法などの細かな作法が必要です。
身だしなみについては清潔感ある服装の選び方や髪型のポイントを確認します。多くの研修では身だしなみチェックリストを活用した実習も取り入れています。基本マナーは形式的なものではなく、相手への敬意を形にした行動だという意識づけが大切です。
言葉遣い・敬語の使い方
日本のビジネスシーンでは言葉遣いが非常に重視されます。尊敬語・謙譲語・丁寧語といった敬語の基本を理解していないと、コミュニケーションに支障をきたす恐れがあります。
例えば「ご苦労様」は目上の人への不適切表現だと知らない社員も少なくありません。このようなNG表現を避け、適切な言葉選びができるようになることが重要です。
敬語を丁寧に使いすぎて冗長になるケースもあるため、シンプルで正確な表現を習得する訓練が効果的でしょう。
電話・メール・ビジネス文書のマナー
業務コミュニケーションの中心となる電話やメール、ビジネス文書のマナーは必須です。電話応対では名乗り方や要件聴取の方法、取次ぎ方などを学びます。メールでは件名の付け方や送信先設定の注意点が指導対象となります。
また、チャットツールや社内SNSの業務活用も増えており、言葉遣いや返信タイミングなどのルール確認が必要です。
ビジネス文書には企業や業界特有の書式や表現がある場合も。こうした知識を共有することで、不要なトラブルを未然に防げるでしょう。
来客応対・訪問時のマナー
来客応対と訪問時のマナーは企業の対外イメージに直結します。来客時の受付からお茶出し、案内、お見送りまでの一連の流れをロールプレイ形式で学ぶことが効果的です。
訪問時にはエレベーター内の立ち位置や会議室での席次など、意外と知られていないマナーも学びます。商談相手を上座に案内する所作やドアの開閉タイミングなど、細かな配慮が「気の利く企業」という印象につながります。相手を尊重する心遣いが形になった場面です。
その他の研修テーマ
ビジネスマナーは「相手尊重」と「適切なコミュニケーション」を軸に様々な要素が関わります。報連相の徹底や公私の区別、コンプライアンス意識なども重要なテーマです。
特に近年はSNSでの情報漏洩リスクや職務上の機密情報取り扱いなど、マナーとコンプライアンスの境界が曖昧な領域が増えています。時代の変化に合わせて研修内容も更新し、現代的な課題にも対応できるようにしましょう。
常に最新の事例を取り入れることが効果的な研修には欠かせません。
ビジネスマナー研修の種類と実施形式
効果的なビジネスマナー研修を実施するためには、自社に最適な研修形式を選ぶことが重要です。環境や予算、対象者によって最適な形は異なります。
ここでは、主な研修形式の特徴と選び方について解説します。それぞれの長所・短所を理解し、目的に合った研修スタイルを選択することで、学習効果を最大化しましょう。
対面研修 vs. オンライン研修
対面研修のメリットは、実践的なロールプレイングがしやすく、講師からの即時フィードバックが得られる点です。参加者同士の交流も生まれやすく、集中力も保ちやすいでしょう。一方で会場確保や遠方からの参加者への配慮が必要となります。
オンライン研修は場所を選ばず、移動コストなく多くの社員が参加できる利点があります。感染症対策としても有効で、録画による復習も可能です。ただし通信環境に左右されるため、実技指導や細かな所作の確認がしづらい面もあります。
近年では、基礎講義はオンラインで実施し、実践的な演習は少人数の対面で行う「ハイブリッド型」も増えています。自社の状況や研修内容に応じて最適な形式を選ぶことが成功の鍵となるでしょう。
社内講師による研修 vs. 外部研修
社内講師による研修は、自社文化や実情に合わせた具体例を交えられる点が強みです。社員同士の距離が近く質問しやすく、コスト面でも抑えられるでしょう。ただし講師のスキル不足や教材準備の負担が課題となります。
外部研修は専門講師による質の高いノウハウと客観的な視点が魅力です。最新事例や他社比較も含め、幅広い内容を提供できます。社内では伝えにくい内容も第三者なら指摘しやすく、効果的な場合もあります。
研修を実施する際は、両方のアプローチを使い分けると良いでしょう。基本マナーは外部研修、自社独自のルールは社内講師による研修というように、効果的に組み合わせることがポイントです。目的と予算に応じた研修を実施しましょう。
効果的なビジネスマナー研修を実施するポイント
ビジネスマナー研修を単なる座学で終わらせず、実践的な学びとして定着させるためには工夫が必要です。ただルールを覚えさせるだけでなく、なぜその行動が必要なのかを理解した上で日常業務に活かせる形にすることが重要です。
ここでは効果的な研修実施のために押さえておきたいポイントを4つご紹介します。
研修の目的・ゴールを明確に設定する
研修を始める前に「何を達成したいのか」「どこまで求めるのか」を明確にすることが重要です。例えば「初対面の相手に好印象を与えられるようになる」「自信を持って電話応対できる」など、具体的なゴールを設定しましょう。
目的が曖昧だと受講者は「とりあえず座学をこなせばよい」という受動的な姿勢になりがちです。明確な目的があれば学習意欲が高まり、研修効果も向上します。目標は研修前に参加者と共有し、自分ごととして捉えてもらうことが大切です。
双方向の学び（ロールプレイング）を取り入れる
ビジネスマナーは頭で理解するだけでは不十分で、実践を通じて初めて身につくものです。講義だけでなくロールプレイやグループワークを取り入れると効果的でしょう。
名刺交換の練習では実際に名刺を使い、立ち方やお辞儀、声のトーンまで細かくチェックします。クレーム対応では怒った顧客役と対応役に分かれ、適切な対処法を体験学習します。
体験型研修は記憶に残りやすく、楽しみながら学べるため参加者の満足度も高まります。
現場での継続的なフォロー
研修だけでマナーが定着することはほとんどありません。研修後も業務の中で実践し、上司や先輩からフィードバックを受ける仕組みが必要です。数か月後にフォローアップ研修や確認テストを実施するのも効果的です。
現場で実際に遭遇したマナー事例を集め、社内で共有する取り組みも有効です。部署を超えた勉強会を開くことで、多様な視点から学び合う機会を作りましょう。日常的な振り返りが習慣化すれば、マナーは着実に定着していきます。
マナーの背景にある「考え方」も教える
形だけのマナーは応用が利きません。「なぜこのマナーが必要か」という本質的な考え方を伝えることが重要です。マナーの根底には「相手への思いやり」があると理解できれば、様々な場面で自律的に適切な行動を選べるようになります。
ケーススタディやディスカッションを通じて「相手の立場ならどう感じるか」を想像させる研修が効果的です。形式的な作法ではなく、相手を尊重する心遣いとしてマナーを捉えられれば、状況に応じた柔軟な対応も可能になるでしょう。
ヒューマンアカデミーのビジネスマナー研修
ヒューマンアカデミーのビジネスマナー研修は、基礎的なビジネスマナーを一通り実践するだけではなく、社会人としてレベルアップするための実践的な内容を大切にしています。
企業のニーズに合わせて、「半日3時間コース」「1日/6時間コース」「2日/12時間コース」などカリキュラムをカスタマイズしてご提案いたします。
ヒューマンアカデミーのビジネスマナー研修の目的
- 社会人として働くための常識やマナーを身に付ける
- プロとしての意識を高め、多様な人間関係に対応できる能力を身につける。
- 形骸化したビジネスマナーを再考し、後輩の模範となる社会人としての 振る舞いを実践化する。
ヒューマンアカデミーのビジネスマナー研修に期待される効果
- 社会人としての基本的なマナーを身に付けられる
- 取引先への訪問や打合せやお客様からの電話応対などの実践的なやりとりができるようになる
ヒューマンアカデミーのビジネスマナー研修のカリキュラム例
企業様の課題に応じて、研修内容のカスタマイズや組み合わせも可能です。ビジネスマナー研修など、研修の実施をご検討の方はぜひご相談ください。
ヒューマンアカデミーの営業研修・接遇研修
ヒューマンアカデミーでは、各業務に必要なビジネスマナーの習得も含めた営業研修・接遇研修も提供しています。
営業力強化研修
ヒューマンアカデミーの営業力強化研修では、営業担当としての基本的心構え及びビジネスマナー、顧客への面談に関する基本的心構えとマナー、その他営業手法等に関する演習の3つを柱に営業力強化を行います。
講義以外にも研修参加者同士の討議や演習などを行い、研修最後には商品サービスを売る際の「鉄則」について学び、個人研究を通じて営業の鉄則について考察し理解を深め、今後の営業活動に活かすノウハウを習得します。
営業力強化研修の目的
ヒューマンアカデミーの営業力強化研修の目的は以下の通りです。
- 営業に必要な基本とマインドとマナーを理解する
- リレーション構築の仕方を理解する
営業力強化研修に期待される効果
ヒューマンアカデミーの営業力強化研修で期待される効果は以下の通りです。
- 営業を楽しむ事の重要性について理解し、モチベーション・コントロールができるようになる
- 今後の営業活動で生かせるノウハウを習得し、即実践できるようになる
営業力強化研修のカリキュラム例
ヒューマンアカデミーの接遇研修「OMOTENASHI研修」
本研修はサービス・接遇に従事する方に、日本のおもてなしを理解いただき、高利益・高付加価値を生む接遇手法を定着させることを目的としています。
「相手の立場に立つ」「感謝の気持ち持つ」をマインドの軸とし、座学のみならずロールプレイング、ディスカッションを加えることでスキル定着と効果の最大化を目指し、理論を学んだ後に企業の現場で実際のおもてなしを見学、体験すことでおもてなしが顧客に与える影響、売上効果への期待値が実感できます。
OMOTENASHI研修の目的
ヒューマンアカデミーのOMOTENASHI研修の目的は以下の通りです。
- 日本固有の“おもてなし”のマインドである「主客一体(顧客の目線になる)」と「一期一会(感謝の心)」を理解し、ビジネスにおけるマナーの必要性・重要性を理解する。
- 第一印象をアップさせるための表情の作り方、お客様と向き合う際の立ち居振る舞い、清潔感のある身だしなみスキルを実践で身につけ、ビジネス社会への適応力をつける。
OMOTENASHI研修に期待される効果
ヒューマンアカデミーのOMOTENASHI研修で期待される効果は以下の通りです。
- 礼儀のある所作だけでなく、「顧客目線」「感謝の心」のマインドが伴うことで営業活動の第一歩を円滑に進められる人材となる。
OMOTENASHI研修のカリキュラム例
ビジネスマナー研修でお困りですか？
ビジネスマナー研修は全社員に必要な機会です。基本的な挨拶から電話対応まで幅広いスキルを習得し、「相手を思いやる姿勢」を根付かせることで真のマナーが体現できます。研修からは社員の自信向上、顧客との信頼関係構築、組織イメージアップなど多くの効果が期待できるでしょう。
実施方法は対面やオンライン、社内外の講師など様々な選択肢があります。企業の状況に合わせた最適な形式を選び、効果的に実施することが成功への鍵です。
マナーの徹底は企業経営において不可欠なステップであり、組織全体のパフォーマンス向上と強固な企業基盤の構築につながります。
ヒューマンアカデミーでは、新入社員・若手社員などの階層に応じて、最適な内容でビジネスマナー研修やビジネスマナーブラッシュアップ研修などを実施しております。
成果に繋がる企業研修は、ぜひヒューマンアカデミーへお問い合わせください。
