【企業向け】日本語研修|外国人社員のための日本語研修カリキュラムのポイント

近年、日本企業のグローバル展開が活発化する中、外国人従業員に対する日本語教育の重要性が高まっています。多様な文化的背景を持つ従業員が互いに理解を深め、コミュニケーションを円滑に行うには、言語の壁を取り除く必要があるからです。そこで注目されているのが、企業内で実施される日本語研修です。本記事では、日本語研修の目的や必要性、実施のポイントなどについてご説明していきます。

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日本語研修とは?

日本語研修とは、外国人従業員に対して日本語の習得を支援する研修プログラムのことを指します。

文法、読み書き、会話などの基礎的な日本語力の養成はもちろん、ビジネス場面で必要となる専門用語や 敬語の習得も重要な目的となっています。単に言語の壁を取り除くだけでなく、日本の企業文化や商習慣の理解にもつながるメリットがあるといえるでしょう。

日本語研修の目的とは?

日本語研修の最大の目的は、外国人従業員の円滑なコミュニケーション能力を身につけさせ、チームワークの向上やビジネス業務の効率化を図ることにあります。外国人がストレスなく業務に専念でき、日本人従業員ともスムーズな人間関係を構築できれば、生産性の向上が期待できます。また、外国人従業員の定着化やモチベーション向上にも寄与するでしょう。

日本語研修の必要性

グローバル人材の確保が重要である企業では、外国人従業員に対する十分な支援が求められています。日本語研修を通じて、言語力と文化理解度を高めることは、多様性の受け入れにつながり、企業の成長力を左右する大きな要因となります。

外国人従業員一人ひとりが力を発揮できる環境を整備することが不可欠です。さらに、優秀な外国人材の獲得競争に勝ち抜く手段としても、日本語研修は重要な位置を占めています。

日本語研修で学べること

日本語研修では、日本語の言語スキルだけでなく、文化的背景や慣習、コミュニケーションスキルなど、日本で生活し働く上で必要な知識を幅広く学ぶことができます。グローバル化が進む中、日本語を習得することはビジネスや国際交流の場で大きな価値を持っています。

ここでは、日本語研修で学べる主要なポイントについて解説します。

日本語能力

日本語研修を受けることで、日本語を使うのに必要な知識を学び、日本語でコミュニケーションを取れるようになります。文法、語彙、読解、聴解、会話など、言語の基礎から応用までを体系的に学習します。

また、ビジネスシーンで欠かせない敬語についても詳しく学ぶことができ、適切な言葉遣いを身につけることができるでしょう。

文化的背景と言語使用

日本語を学ぶことで、日本の文化や社会的背景を理解し、言語の使い方に反映させることができます。日本独特の価値観や考え方を知ることでコミュニケーションの際の誤解を防ぎ、円滑な人間関係を築くことができるでしょう。

また、文化的文脈を踏まえた言語使用は、相手に対する配慮や尊重の表れでもあります。

日本の慣習とマナー

ビジネスや日常生活における日本の慣習やマナーを学ぶことで、円滑なコミュニケーションを図ることができます。挨拶や名刺交換、お辞儀など、日本特有のビジネスマナーを習得することで、日本人との信頼関係を構築しやすくなります。

また、日常生活での作法や習慣を理解することで、日本社会にスムーズに溶け込むことができるでしょう。

異文化コミュニケーション

日本語研修では、異なる文化背景を持つ人々とのコミュニケーションを円滑にするためのスキルを身につけることができます。文化の違いを理解し尊重することの重要性を学ぶことで、柔軟な態度で接することができるようになるでしょう。

これは、グローバルなビジネス環境で活躍するために不可欠なスキルと言えます。

日本語研修実施のポイント

効果的な日本語研修を実施するためには、いくつかの重要なポイントがあります。研修の目的を明確にし、参加者のレベルに応じたカリキュラムを設計することが大切です。

また、実践的なトレーニングや定期的な進捗評価、個別のニーズに合わせたカスタマイズなどさまざまな要素を考慮することで、研修の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

研修目的の明確化

日本語研修を実施する際は、まず研修の目標を設定し、参加者に期待される成果を共有します。明確な目的を持つことで研修に対するモチベーションを高め、学習効果を最大化することができます。

また、目標達成に向けた具体的なアクションプランを立てることで、研修の進捗管理がしやすくなるでしょう。

レベルに応じたカリキュラム設計

受講者の日本語能力に応じた適切なカリキュラムを作成し、入門から上級までのクラス編成を行います。レベル別のクラス分けを行うことで、受講者一人一人のペースに合わせた効果的な学習が可能になります。

また、各レベルの到達目標を明確にすることで、受講者のモチベーションを維持することができるでしょう。

実践的なトレーニングの導入

日本語研修では、ロールプレイングやグループディスカッションなど、実践的な学習方法を取り入れることが重要です。実際の場面を想定したトレーニングを行うことで、学んだ知識を活用する力を養うことができます。

また、他の受講者との交流を通じて、コミュニケーション能力の向上も期待できるでしょう。

文化的要素の統合

日本語研修では、言語学習だけでなく日本の文化や慣習についても学ぶ機会を提供することが重要です。言語と文化は密接に関連しているため、文化的背景を理解することで、より深い言語の習得が可能になります。

また、日本の社会やビジネスマナーを学ぶことで、スムーズな異文化コミュニケーションを図ることができるでしょう。

定期的な進捗評価・フォローアップ

研修の効果を測定するために、研修前のレベルチェックや研修中の到達度テストを実施します。これにより、受講者の学習進捗を把握し、必要に応じて個別のサポートを提供することができます。

また、研修後のフォローアップを行うことで学んだ内容の定着を図り、継続的な学習を促進することができるでしょう。

日本語研修のカリキュラム例

ここからは、ヒューマンアカデミーで実施している企業向けの日本語研修のカリキュラムについてご紹介いたします。外国人人材向けに、日本語研修を検討している企業・ご担当者様はぜひご参考ください。

企業向け日本語研修のカリキュラム

日系企業に就職した海外人材のため、必要となるビジネス日本語、ビジネスマナー、営業・接客ロールプレイングなどを総合的に学習し、コミュニケーション能力をビジネスレベルまで向上させることを目標とします。また、企業や自治体などのご要望、目的に沿った研修はもちろん、ITなどの専門分野に必要な日本語能力の獲得に向け、研修をカスタマイズすることも可能です。

日本語研修に期待される効果

  • 社内コミュニケーションの活性化
  • 日本人と同レベルの日本語顧客対応
  • 日本語や日本文化の理解

日本語研修のカリキュラム例(アドバンスコース)

一人で営業・接客業務ができるようになることを目的とした研修です。基礎的な日本語能力や、日常会話の力が備わっている方を対象に、話す相手に合わせた日本語の「使い分け」や「発音」の習得を目指します。また、企業内で役員向けのプレゼンテーションなど、適切な日本語で行えるよう、実践シミュレーション研修も実施します。

介護業界向け日本語研修のカリキュラム

介護業務に必要な日本語研修から国家試験対策まで、ワンストップで教育を実施します。介護事業を行っているグループ会社のノウハウも活用し、施設への配属後から国家試験対策まで、一貫したサポートが可能です。成績表や報告書で、各候補生へ細やかなケアを行い、講師との個別面談などにより、候補生のモチベーションにも気を配ります。実践的で介護業界に特化した研修をご提供しています。

介護業界向け日本語研修に期待される効果

  • 職場でのコミュニケーション能力向上
  • 介護福祉士国家試験の合格
  • 介護現場の実務能力向上
  • EPA介護福祉士候補者の人材育成

介護福祉士国家試験対策研修例

学校向け日本語研修

学生の皆様が学校内外で日常生活を送るために必要な日本語能力を身に付ける研修です。基本的な日常会話から就職活動の場面まで、幅広い内容をご提供しています。また就職に備えた面接対策、履歴書の書き方の研修なども合わせてご提供しています。

学校向け初級日本語研修の事例

日本語ビギナーの学生を対象として、日常会話を身に付けることを到達目標に、自己紹介や挨拶からスタートし、約4ヵ月間に渡り1日90分の研修をほぼ毎日実施。「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく身に付けられるよう、研修前半ではドリルやワークでインプットを中心に学習し、後半からはグループレッスンも並行してアウトプットに力を入れ実践力を養いました。

学校向け日本語研修の到達目標(一例)

  • 日本語で自己紹介することができる
  • 買いたいものやその数・値段を店員に聞くことができる
  • 目的地までの行き方を言ったり聞いたりすることができる
  • 旅行先がどんなところか聞いたり言ったりすることができる
  • 旅行先の名産品を簡単に紹介することができる
  • ごみの捨て方などの注意が分かり、謝ることができる
  • 困っている人に手助けを申し出ることができる
  • してもらったことに対して、お礼を言うことができる
  • 同僚を食事などに誘うことができる
  • 問題解決のための情報を伝えることができる
  • 自分ができること、できないことを伝えることができる

日本語研修にお困りですか?

国内企業が真のグローバル企業へと成長するためには、外国人材の力を最大限に活用することが不可欠です。そのためには、外国人従業員に対する日本語教育を確実に実施し、言語やコミュニケーションの壁を取り除く必要があります。

日本語研修は、外国人従業員の定着化やモチベーション向上、ひいては生産性の向上にも大きく寄与するはずです。企業の多様性受容力を高め、優秀な外国人材の獲得競争に勝ち抜くことにもつながるでしょう。外国人従業員へのサポートは企業の成長に直結する重要な経営課題なのです。日本語研修をはじめ、積極的な施策を講じていく必要があります。

外国人従業員に対する日本語研修なら、豊富なノウハウと実績のあるヒューマンアカデミーまでぜひご相談ください。

この記事を書いた人

研修メディア監修者・廣瀬哲人

当メディアの監修者:廣瀬哲人
株式会社ENロジカルの代表取締役として、企業研修・Eラーニングの開発や提供を行っています。京都大学在学中に、脳科学についての研究を行っており、現在ではAI(人工知能)技術のビジネス活用など、デジタル技術に精通した専門家として、ChatGPTなど生成AIの活用やDX人材の育成に関する企業研修・セミナー・講演講師を務めております。
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