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ダイバーシティ実現のポイント。それは「働く環境」と「タイミング」

ダイバーシティ実現のポイント。それは「働く環境」と「タイミング」

人口減少とともに労働力不足が懸念される日本では、新たな働き手が求められています。多様な人材がともに働くダイバーシティの実現は、新しい働き手を発掘する動きでもあります。同質性や均質性に慣れた日本社会で、ダイバーシティが根付くための条件を考えてみました。

ダイバーシティは、働き方の不均衡をなくす試み

毎年多くの新入社員を採用している大企業であれば、人材の新陳代謝も活発です。傘下にグループ企業がいくつもあれば、配置転換も比較的容易です。成長分野には意欲的な人材を振り分け、保守が中心の分野には、そうでもない人材を振り分けるなど柔軟な人員配置が可能になります。今の日本社会は、新入社員となる新しい働き手が減り、成長分野に人材を振り分けられない状態です。不均衡な人員配置のため、さほど人員を必要としない分野に多くの人材が留まっています。不均衡を是正する切り札が、ダイバーシティであり、新しい働き方です。

柔軟な働き方は、働く人を楽にする

日本では結婚や出産を機に離職する女性が多く、パートや非正規労働などで復職した場合、正社員並みの給与を得られないことが問題となっています。キャリアを手放したくない女性は、出産や育児といったライフイベントで、仕事と家庭との両立に悩むことになります。補助的な仕事か、バリバリ働き続けるか。大きく分ければその二択しかありませんでした。短時間労働でも基幹職並みにバリバリ働く。あるいはスキマ時間にサポート役として補助的に働くといった、もっと柔軟な働き方が可能になれば、各個人の負担も減ります。

ダイバーシティは、居心地のいいものではない

柔軟な働き方を阻むものは、日本社会特有の同質性や均質性です。同じような学歴の、同じような趣味嗜好を持つ人が同僚であれば、意思疎通も楽です。そのうえ結婚や出産といったライフイベントの発生時期や、昇進の時期も同じであれば、ますます働きやすくなります。その場に異なる趣味嗜好や価値観を持つ“異物の混入”は、ノイズでしかありません。目障りなのです。ところが今は、大企業でも採用に苦労する労働力不足の時代です。人は増やせません。多様性を拒絶する組織で働く人はますます疲弊し、競争力を失うことにもなりかねません。

リモートワークが進めば、働く場も変わる

今までの働き方とは違う、新しい働き方や生き方を定着させるために有効な手段が、リモートワークです。ライフスタイルの変化に応じて柔軟に働き方を変えられる人と、そうでない人とが共に働くには、職場を分けてしまえばいいのです。働く場所にとらわれないリモートワークで自宅が職場になれば通勤時間も減り、仕事と家庭も両立しやすくなります。リモートワークを進めるには、業務や職務内容の見直しが必須となります。職場での暗黙知をマニュアルとしてルールブック化できれば、職歴が長いだけの人に権力が集中することもありません。 多様な人材がともに働くダイバーシティは、労働力不足を救う新しい働き手に、より働きやすい場所を用意する試みです。働く場所にとらわれないリモートワークであれば、地方と都会を結ぶことも可能になります。余っている労働力と、成長のために新たな働き手を求める企業が結びつくこともできます。同じ場所にいなくとも同じ仕事ができるようになれば、同僚に過剰な同質性を求めることもなくなります。

[写真著作者:Vive La Palestina]

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